栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

病気の子の安全のために印を付けるのは差別なのか?

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

当院ではまだまだ看護師と医療事務、脳波技師を募集中です。子供好きで一生懸命な方をお待ちしています。ご興味があれば、お気軽に連絡下さい。

 

先日、ある幼稚園で食物アレルギーで除去食対応を依頼した子は、食事が全て他の子と別テーブルで、食器の色も違うものを使わされると聞きました。また別の時にある小学校で足の不自由な子の帽子や服に印を付けて、他の子にぶつからないように気を付けるように促すという話を聞きました。てんかんの子がプールに入る時は他の子と違う色の帽子をかぶせられる話は昔から時々聞きますね。

 

これって皆さんどう思われますか?私は違和感を感じぜずにいられません。実は小学校の先生とは少しやりあったんです。差別的ではないですか?と。そしたら、妊婦さんや障害のある人が印を付けて電車に乗るのと何が違うんですかと。全然違う、それは妊婦さんや障害のある方が自主的にしていることであり、周りが管理するためにさせられているのではないです。

 

管理側が病気の子に印を付ける必要が本当にあって、それを保護者が納得しているなら良いのかもしれません。でも私は個人的に釈然としません。人権とか差別といった問題はあまり詳しくないので強くは言えないです、専門の方がいればご教授いただきたいです。

 

ただ食物アレルギーに関して言えば、どれだけ注意しても誤食でのアナフィラキシーは起きる時は起きる。大切なのはその時に速やかに適切な対応(救急車を呼ぶ、エピペンを打つなど)をすることです。食器の色を変えることよりも、いざという時のために訓練しておく方がずっと重要です。アナフィラキシーの際にも保護者や園医に電話で相談したりして、ろくにすぐに救急車も呼べないところが意外と多いです。

 

てんかんも確かに入浴時に発作で溺水した話はしばしば聞きますが、学校でのプール授業時に発作で溺水しそうになった話はほとんど聞きません。それぞれのてんかんの種類によっても運動時発作(さらに水中での)の起こりやすさも違います。一律にてんかんというだけで帽子の色を変えるのには賛成出来ません。私は、普通に子供たち全体を溺れてる子(てんかん発作と関係なしに)がいないか監視する大人がいる環境なら特別な扱いは不要としています。ただし中学校以上で水泳部に入るのは止めてます。