栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

子どもの便秘は早めに薬を頼った方が良いです

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

いまだにインフルエンザもちらほら出ていますが、だいぶ減ってきました。ていうか、感染症自体が減ってきましたね。それとは全く関係なく今夜は便秘の話です。便秘の患者さんは生まれて間もなくから大人まで幅広くおられます。その中でも多いのは離乳食に入る乳児期後半のようです。そりゃ食べ物が変わるんですから便も変わりますよね。

 

私は早めに薬物療法を勧めています。そりゃ水分を多くするとか、繊維質を食べるとか、毎日ヤクルト飲むとか、食事療法で治すのが良いに決まっていますが、なかなか上手くいかないでしょ。そりゃ治る子もいるでしょうけど、体質として難治の子が多いです。何より心配なのは、排便自体が苦痛になって余計に便をしたがらなくなって、便秘は悪化するし、排便習慣も身に付かなくなります。特に1歳前後くらいは重要な時期です。実際に便秘がちゃんと治療されずにきた4~6歳の子の多くはオムツが外れていません。さらにはおねしょの原因になっていることもあります。

 

便秘の子のおなかの音を聞くと、だいたい腸はよく動いています。腸の動きはあるけど便が硬くなっているのです。そういうときの治療は便を軟らかくするのを目的とします。便秘の薬が出ても、便が出るとすぐに中断して出なくなると再開する方がいますが、一度硬くなってしまった便はなかなか後から軟らかくすることは出来ません。結局子どもは腸に栓をしてる硬い便を出すことに苦しむことになります。便が出るようになっても、もっといえば多少下痢になっても、急に中止せずに内服量や回数を減らすくらいにして、あくまで硬便を作らないようにしないといけません。それを続けると、だんだん軟便になって徐々に減薬して終了出来ることが多いです。永久に飲み続けないといけないわけではありません。

 

便秘の薬は、薬といえるかわからない水飴のようなかわいいもの(主に赤ちゃんに出してます)から、成人に使う強力なのもの、漢方薬など、たくさんの種類があります。すぐに薬を使うことに抵抗のある方もいるかもしれませんが、食事療法で頑張りすぎて親子で疲弊してしまわないように、早めにご相談ください。