栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

出べその圧迫治療は病院管理下で進めましょう、開始するなら早めが良いのでデビューワクチンまで待たずに受診しましょう

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

出べそについてです。赤ちゃんの10人に1人くらいで発生します。生まれてからへその根元の部分がすぐに閉じないときに出べそになります。決して産科の先生の切り方が悪かったわけではありません。9割はほっといても治りますが、ピンポン玉くらい大きいものもあり、上手く自然に治らないこともあります。それでも最終的に手術で治すことも出来ます。

 

でも、手術も全身麻酔も怖いしなるべく避けたいと思う人も多く、綿球や専用の固定剤による圧迫療法で治すことも最近は増えています。生後1か月くらいから開始することが多く、当院へデビューワクチンで初めて受診される赤ちゃんで、すでに産院などから指導されて圧迫治療を開始されてることも時々あります。

 

上手に圧迫固定されている方もいますが、テープが浮いてしまってほとんど圧迫出来てなかったり、当ててる綿球がずれていたりということもしばしばあります。産院や出産した病院の小児科などでやり方だけ教えられて、あとは勝手にやっておいてで終わってることがあるようです。

 

簡単なようで、きっちり圧迫状態を維持する固定は意外と難しかったりしますし、皮膚の感染トラブルも多いです。不適切な圧迫によりへそが穿孔(穴が開いた)してしまった報告もあります。当院で出べその圧迫療法をする場合、原則的に私が固定して1~2週間隔で外来受診いただき状態を確認するようにしています。ワクチンのときに一緒にやったりもしています。

 

出べその圧迫療法とはいえ、安全で確実に治療するには医師の管理下で行うべきというのが私の考えです。医療機関に最初だけ指導されて、あとは勝手にやっといてで圧迫治療を続けられている方は一度小児科で問題なく出来ているか確認してもらうのが良いと思います。

 

あと追加ですが、出べその圧迫治療は同じするなら早い方が良いので、明らかに大きくて治療するつもりなら、2か月のデビューワクチンまで待たずに早めに小児科で相談されることをお勧めします。