こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。
咳がずっと止まらないといって受診される方の中で、小学生くらいに多いですが、咳チックのことがあります。チックというと目をパチパチしたり、首を傾げたりとかが有名ですが、咳をするチックもあります。チックというのは、半分体質、半分心因性(そのときの緊張やストレスを要因として)の自分の意図しない動きが瞬間的に出る疾患です。
チックが原因の咳なら、いくら咳の治療をしても止まりません。見分け方としては、気管から出るというより、喉奥の痰が絡んでそれを出そうするような咳払いに近い咳です。夜に寝ながら咳してたり、咳で目が覚めたりせず、むしろ日中が多いです。喘息などであれば通常は夜の方が咳はひどいです。そして、その咳でやりたいことが妨げられてないなど。咳チックに限らず、チックの一番初めの対応は、本人へ指摘しないこと(咳なかなか止まらないねと本人へ言うなど)、周囲も出来るだけ意識しないようにすることです。そしたらそのうち減っていくことが多いです。
よほどひどいチックは投薬することもありますが、精神科で使うような薬になるので、子どもにはちょっと抵抗があります。普通は初めは投薬なしで様子を見ます。
チックは疑わないとわかりません。長期間、薬で治療しても良くならない咳のときは、受診先の先生に言ってみるのも良いかもしれません。