栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

保育園を子どもの立場だけから考えてみる、訪問保育という可能性

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

保育園(保育所も)というものを子どもの立場だけから考える、親とか社会とか人材不足とか経営とか全く無視して、子どもの都合からだけ考えてみます。

 

まず子どもにとって同じ世代の子たちとの交流は、多くは発達に良い影響があると思います。しかし、免疫力を考えると少なくとも2歳未満には過酷過ぎます、保育園でほとんどの子が保有している魑魅魍魎としたウイルスと細菌の海の中で1か月と健康を保つのは難しいでしょう。

 

一旦、感染症により体調崩した子が早く元の健康な状態に戻るのに必要なことは、①安静を保つこと、②新たに感染をもらわないことです。感染症状が治りきってない状態で登園再開することは、いずれの点にしても最悪の状況下です。病児保育であれば安静は幾分保育園より保たれるでしょうけど、個室管理などでなければわざわざ他の病児の感染をもらいに行くことになるかもしれませんね。

 

どれだけ良くなったら登園したら良いかは、少し前に記事にしましたが個人差と、ウイルスにもよります。アデノやRSウイルスなんかにかかったら数週は余裕でかかるでしょう。ちなみに発熱期間が長いほど、解熱後の咳鼻などの期間も長引きます。咳が多い間は可能なら自宅安静が良いですね。

 

そんなん、何週間も登園出来なくて親は仕事休むわけにいかないだろって思うと思います。最初に書いたの思い出してください、一切子ども以外の都合を考えずにこの記事は書いています。

 

とはいえ、現実的にはどうしたら良いんでしょうね?私は特に2歳未満は出来るだけ少人数保育で、咳鼻などしてれば激しい運動を伴う遊びを避けたり、感染を疑わしい子を一時的でも隔離した部屋で過ごさせるなど出来る保育所があればだいぶ違うかなと思うし、訪問型保育(ベビーシッター)が増えれば良いだろうと思います。いつもと同じ環境(自宅)で、安静が保てて新たな感染からも守れて最高ですね。訪問型病児保育など実際やってる地域もあるようです。でもどこも利用料がそこそこです(T_T)

 

二流以下の政治家って、待機児童が減るように保育所増やせば良い、子どもが熱を良く出して困る親が多いなら病児保育増やせば良いとしか考えてない。保育所を増やして病児保育も増やしても、子ども自身が感染症に苦しむリスクは変わらないし、子どもが頻繁に熱を出すのはそういう環境を作っている大人や社会のせいであり、感染から適度に守られる環境であればそこまで子どもが熱を出したり風邪が長引くとかならないんですよ。大人の都合ばかりでなく子どもの立場にたった政策を期待したいです。子どもたちは自分から言えないんでね。