栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

手足口病の早期診断って必要?先生と保護者から見てまだはっきりしない発疹は、私が見てもやはりはっきりしませんので診断が出来ません。

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

手足口病が流行ってますね、当院にもたくさん患者さんが来られています。その中で、保育園(幼稚園)で手足の発疹を指摘され、手足口病かもしれないから診てもらうようにと受診を指示されて来院される方がしばしばおられます。診てみると、え?どこ?、あ~これのこと?ってくらい、保護者も私もわからないくらいの、ほんのりした発赤のみだったりします。

 

う~ん、これからこの発疹(?)がはっきりしてきたら手足口病かもしれないけど、違うかもしれませんね。まだ診断確定は出来ないです。でも、手足口病は普通の夏カゼウイルスなので、風邪薬だけで治るのを待つもので特別な治療薬はありませんし、登園禁止期間もありません。というような説明がなされます。

 

じゃあなんで保育所(幼稚園)は、こんな発疹が出てるかどうかわからないくらいの早いタイミングで、診断してもらうように受診させるんでしょうか?クリニックには手足口病を診断する迅速キットもないし、まだうっすらとしか見えない発疹が見えるようになるスコープもありません。保育所の先生と保護者から見てもまだはっきりしない発疹は、私が見てもやはりはっきりしませんので、診断は出来ません。

 

ただし、この流行の中、しっかり発疹が出たら手足口病だろうと早合点せずに受診してください。診てみたらじん麻疹とか、溶連菌感染とか、突発性発疹だったとかはしばしばあることなので。