栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

発達の遅れを指摘されたときでも、日々楽しく過ごすことを止めないことが正解です

こんにちは。滋賀県栗東市栗東よしおか小児科院長の吉岡誠一郎です。

 

いくら世界中がコロナ禍だろうと、煉獄さんが言うように時は止まって待っててくれないわけで、子どもは1歳半となり、3歳半となり、そして一定数の1歳半なのに言葉が出ないとか、3歳半で集団活動に入れないだとかという発達の問題に直面する家族が出てきます。ある割合で地域の乳幼児健診での指摘で気付かされますが、保育所や幼稚園で指摘を受けることも多いようです。「病院受診してみたらどうですか?」「発達検査を受けた方が良いんじゃないですか?」てな感じで結構いきなり言われるみたい(言われた方はいきなりと感じてるけど、もっと前から遠回しに伝えられてるのに自覚してなかっただけかも)。

 

一時期は発達障害(今は神経発達症とか言うんですけど)、早期診断が重要と言われた時期もありました。このときはかなりのADHD自閉症スペクトラムの子が、ポーンと小学校入学で通常学級に放り込まれて、手を付けられないくらいの二次障害を伴うひどい状態になることがしばしばあるのが背景にありました。でも早期発見診断を啓発し過ぎたせいで、診断だけつけられて(しかも低年齢なのでかなり曖昧な)、適切な対応もされずに保護者を絶望させるだけになってるケースが増えたような気がします。早期診断したからって、ガンみたいに早期の薬や手術で完治するものではないですからね。

 

発達障害でもそうでなくても、子どもは発達していくものというのは、私が医者駆け出しの頃から指導医に教えられたし、自分自身の臨床経験からもそう思います。発達を妨げるような悪い環境になってないかだけ気にしていれば良いと思います。悪い環境かどうかは、日々の日常を子ども自身も家族も笑って楽しく過ごせていれば大概大丈夫です。発達障害を治すための○○療法とか○○トレーニングとか、全てを否定はしませんが、子どもからも家族からも笑顔が消えるほど無理してやらないで下さいね。