こんばんは。滋賀県栗東市の栗東よしおか小児科院長の吉岡誠一郎です。
子宮頸がんワクチン(以下HPV)の積極的勧奨再開が進みそうですね。なぜでしょうね、何か新しいことでもわかったのですか?新しい調査や研究結果が出ましたか?多分何にも変わってないですよね。肯定派の人たちが一生懸命に働きかけ続けたからようやく動き出したんでしょうかね。
こんな主体性のない国の勧奨なんかで、HPVワクチンに不安を持って接種を控えてる人たちが急に安心して接種し始めるものですかね。正直、私は積極的勧奨なんかで急に接種率が上がるなんて全く思っていません(予想が外れたらうれしいけど)。実は私のHPVワクチンに対する不安はくすぶり続けています(暇な人は大昔の私のブログを見てください)、それでも皆さんに勧めるのはそれよりはるかに子宮頸がんに罹患して地獄を見る可能性がずっとずっと高いからです。
本当はもっと調査研究を進めて欲しいと思っています。よく副反応を否定する根拠として挙げられる名古屋スタディは、中身をよく確認すると全く糞みたいな内容です。あんなもので安心なんて全く出来ません。
とはいえ、1~2年前から接種者は着々と増えてはいます。うちには結構遠方からも来られています。聞くと、近くの小児科や婦人科に問い合わせたら、「誰も接種してませんよ」とか「検診をちゃんと受けてれば大丈夫ですよ」とかで遠回しに断わられることが多いようです。患者より医者を勧奨しないといけないですね。
本当に不安で接種を控えていた人たちを動かすのは、信頼する医師の勧めと周囲に接種している人がいることだと思います。私は国の積極的勧奨なんてどうでもいいと思っています。国に勧奨再開を迫ることよりも、接種を控えている人たちに坦々と接種の必要性を伝えていくことが医者のやるべきことと信じています。