こんにちは。滋賀県栗東市の栗東よしおか小児科院長の吉岡誠一郎です。
ちょっと忘れられつつある気もするけど重大な事件と思う、愛知県弥富市であった中3生が同級生を刺殺した事件に関して書きたいと思います。
加害者の殺害動機として以前のアンケートにあった「選挙の応援を頼まれたのが嫌だった」とか「友達との会話に割り込まれていやだった」とか(他にも後からいろんな加害者のコメントが出ているようですが)、そんなことで殺すまでするのかと思われるような内容が報道されていますね。
子どもの言語化能力というのはとても個人差があります。過去に感じたことを口で話したり文書で書けるのはかなり上級者です。本当に苦手な子になると、その日の朝食がなんだったか、いつから頭が痛いのかといった、単なる事実ですら答えられない中学生だっています。ましてや多感な思春期の子どもで、自分が誰かからうけた心的ストレスだったり、殺意を抱くほどのネガティブな感情を正確に言語化することなど出来るわけありません。
アンケートなどで辛うじてSOSを発してくれた子どもの、表面上の言葉づらだけで重大性を判断するのはとても危険です。上手く言語化出来ないもっと大きなストレスがあると疑って対応することをしないと、子どもの自殺や犯罪は無くならないし、それは学校で強制的に地域に住む子どもを集団生活をさせている大人の義務なのだと思います。