栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

HPVワクチンのキャッチアップ接種は今年度末(2025年3月末)で終了なので、1997年度以降生まれの女性は9月までに接種開始しないと間に合わないです

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

最近、HPV(子宮頚がん)ワクチンの接種者が増えています。喜ばしいです、年度初めだからか、行政から通知が行ってるのかわかりませんが、何でも良いです。接種してくれるなら。とはいっても、対象者の数を考えるとまだまだずっと少ないです。就学前1年(年長さん)でする麻疹風疹ワクチン2期の接種対象者は1学年のみで、HPVワクチンはキャッチアップ接種対象者も含めると16学年対象者がいるのに、麻疹風疹ワクチン接種者の方が多いですから。内科とか婦人科で接種してくれてるならそれでも良いんですけど。

 

ところで、現在行われているキャッチアップ接種(積極的勧奨がストップしていた時期に定期接種できなかった女性を対象に公費で接種できる)ですが、平成9年(1997年)度生まれまでが対象です。だから今年度に27歳になる女性までですね。27歳ともなると既婚者も多いですが、それでも公費接種対象です。当院でも若いお母さんで接種されてる方は何人かおられます。HPVワクチンは子宮頚がんの原因になるヒトパピローマウイルスが性行為により感染するのを防ぐ目的なので、既婚の方は二人ともが絶対に絶対に絶対に浮気をしない(そういうお店での行為も含めて)という前提であれば、新たな感染の可能性はないので必要ありません。

 

そのキャッチアップ接種ですが今年度末(2025年3月末)で終了です。HPVワクチンは標準的な接種方法だと3回接種が完了するまで6か月かかるので、9月までには1回目を始めないと間に合いませんよ。ていうか、そうこうしているうちに感染するかもしれないので、接種する気があるんなら、とにかく早く接種しましょう。

 

ときどき、お子さんに接種を考えているお母さんと話していて、公費の期間が終わるまでに接種を終わらせれば良いとか、部活や受験が終わってから始めるつもりとか、ワクチンの目的をわかってるのか疑問に思う方がいます。初回の性経験の前に6か月を要する3回接種(15歳未満は2回接種)が完了してることが重要であること、年齢が低いときの接種の方が免疫の付きが良いこと(だから15歳未満は2回接種)を知って欲しいです。

 

なお、当院では注射が痛いのが怖くてしょうがない方のために、このワクチンに限り痛み止めの麻酔テープを希望者には貼付しています。接種の1時間前に来院してもらうので、希望されるときは事前にお知らせください。