栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

電動鼻汁吸引器のすすめ

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。看護師、医療事務、脳波技師ともにまだまだ募集中です。

 

寒さが本格的になってきて、まだインフルエンザはそれほど出てませんが、RSウイルスや夏風邪の手足口病プール熱までいろんな感染症が流行ってます。そういう流行りのウイルス感染は放っとけばそのうち治るのですが、放っといてもなかなか風邪症状が治らないのが保育園性鼻炎です。保育園や幼稚園に行っている子がずーっと咳鼻が続くものです。もちろん、そんな名前ありません、私が勝手に名付けているだけです。鼻水くらいならと開き直って放っていると、中耳炎や副鼻腔炎を繰り返します。治らないと言っていますが抗生剤を4-5日飲めばスパッと良くなります、でも1-2週間もするとまた鼻が出てきます。細菌検査をしてみるとヒブとか肺炎球菌といったワクチンでお馴染みの菌が出てきます。

 

おそらく抗生剤で菌を殺しても、鼻の中で少し生き残っているか、また保育園でお友だちからもらってきているのでしょうね。完全に菌がいなくなることはないようです。抗生剤が効くといっても2週毎に使い続けていればそのうち効かなくなります。耳鼻科の先生が次々と複数の抗生剤をかわるがわる使い続けてるのをよく見ますが、あまり効果的でないようです。結局、菌と共存していくしかないのですよね。

 

でも菌がいても中耳炎や副鼻腔炎にならなければ良いわけで、つまり耳や鼻の奥に膿(鼻水)が溜まらないようにすれば良いのです。大人のように鼻をかんで外に出すのが出来ると良いですが、乳幼児はそれが出来ないのでくしゃみでもしない限りは溜まりっぱなしです。当院では鼻水がたまってると出来るだけ奥まで吸引して帰っていただいています。薬飲むより多分最も効果的。でも半日もしないうちにまた溜まっていることでしょう。毎日通院してもらって鼻吸引するのも良いですが、それも大変ですよね。お母さんが口で吸いあげる鼻汁吸引器も市販されていますが、吸引力が弱いせいかあまり効果的でないようです。

 

もう思い切って電動鼻汁吸引器を各家庭で購入されたら良いと思います。アマゾンで安いので1.5万円くらいで出てました。1.5万円って難しい額ですよね、高いといえば高いけど、これで鼻炎や中耳炎が減って、たびたび受診したり、薬を飲ませる手間が無くなることを思えば安いんじゃないかとも思います。お父さんに忘年会を1回分あきらめてもらって、おじいちゃんからのお年玉を足せば何とか買えませんかね。もしくは乳幼児世帯に行政が支給するとか。医療費削減にもなるし、抗生剤処方も減って耐性菌も減らせるんではないでしょうか。

 

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