栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

訪問ワクチン接種のすすめ

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。看護師、医療事務、脳波技師ともにまだまだ募集中です。

 

久しぶりに小児在宅医療の話です。あんまり記事にしていませんが続けています。でも、これ以上訪問先を増やす余裕がなくて新規の受け入れはストップしています。ですから、発達外来と同じ状況とも言えるのでブログに書くのも少し恐縮してしまいます。とはいえ、たまには現状報告しようと思います。

 

一般外来とワクチン外来の合間をぬって定期訪問診療をしています。患者さんの状態が悪いときには、1時間に満たない休憩時間にダッシュで臨時往診して帰ってきたり、夜外来が終わってから訪問に行ったりもしていますが、どうにも外来を離れられず訪問看護師と相談して直接主治医の病院(当院ではなく)を受診してもらうこともしばしばです。そんなので小児在宅医療をやっていると言えるのか、在宅医療専門クリニックであればどんな時でも具合が悪くなればすぐに往診してあげるのだろうに、と思ったりもします。実際のところ在宅患者さんはどう思っているのかなと。

 

そんな折に、最近久しぶりに新規患者さんの訪問をしました。定期訪問は現在増やせない状況なのですが、その患者さんはインフルエンザワクチン接種だけお願いしたいとのことでした。何でもワクチン接種のために病院受診すると緊張して具合が悪くなってしまうそうで、慣れた自宅で接種して欲しいとのこと。それならお安い御用というわけで、お引き受けしました。とはいえ、自宅だから少しも緊張しないことは無いだろうし、自宅で状態が悪化したら怖いなと思いながら、1回目のときは終始和やかな空気を演出しつつ(出来ていたかどうかは別として)、モニターをチラチラ見ながら接種しました。病院でするよりずっと落ち着いていたとのことで安心しました。そのときは当院看護師も同行したのですが、2回目接種は都合がつかず私一人での訪問でした。接種時に急変があったときに医療者が一人だと不安だったので、訪問看護師さんにお願いして同じ時間に訪問してもらいました。おかげで2回目も無事終了し、そのときはお母様の接種もしました。在宅患者さんがいると家族もなかなか病院に行けないですからね、他の訪問先のご家族も訪問時に接種させてもらっています。

 

小児在宅医療はこういった需要もあるので、興味はあるが定期訪問までは無理という小児科クリニックさんは、訪問ワクチン接種だけでもやっていただければ喜んでくれる在宅患者さんは多いと思います。ぜひとも。今回みたく医者一人訪問でも訪問看護師さんが協力してくれますしね。