栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

経済的な事情のために乳児期から入園させないといけない家庭には、国から子育て支援として金銭的補助をする方が保育園を整備するよりも親子にとってはハッピーなのではないか

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
 
本当にお久しぶりの更新です。どうしてこんなにブログを書けない体になってしまったのでしょう。ネタは日々の診療でいくらでも浮かんでくるのですが。楽しみにしてくれている方もおられると聞いていますので、少しずつでも書いていこうと思います。ブログは停滞していても、医療事務と脳波技師は引き続き募集中なのでよろしくお願いします。
 
毎年ですが4月の後半くらいから、どうにもこうにも咳鼻が遷延する乳幼児の患者さんが増えてきます。ヒトメタニューモウイルスといったしつこいカゼウイルスが流行することも原因の一つですが、保育園に入りたてで、それまで自宅のきれいな環境にいた乳幼児がいきなり細菌とウイルスの海に放り込まれて立て続けに感染を浴びまくることが大きな要因です。一つの感染が治る前に別の感染が重なるし、咳をしていても元気なら外で自由に遊んでいます。自宅にいる時のように汚い鼻水を拭ってもらえません。保育園に行っているんだがからしょうがないし咳鼻くらい放っておけば良いと言う人もいますが、気道が過敏になり咳が延々続いたり蓄膿や中耳炎になったりと、本当に放っておくわけにもいきません。
 
抗菌薬を始めると一旦治る子もいますが、1か月もしないうちに元通りになることが多いです。そりゃそうです、抗菌薬で身体に入った菌は殺せても、登園している以上すぐにまた感染するのですから。そんなことを繰り返しながら強くなっていく子もいますが、何か月も続く子も多いです。仕方ないので長期で継続しても副作用が少ない去痰剤を長めに投与したり、自宅での鼻吸引を勧めたり、漢方薬を試したり、どうしようもなく繰り返し抗菌薬を追加したりと、あがきながら治療しています。
 
特に2歳未満の人間という生物には、免疫力的に集団生活を健康に生き抜くには無理があるのではないかと思います。お金のためではなく仕事復帰するために早くから保育園に入れる方も多いでしょうし、それは仕方ないとは思います。でも経済的な事情のために乳児期から入園させないといけない家庭には、国から子育て支援として金銭的補助をする方が、保育園を整備するよりも親子にとってはハッピーなのではないかと、いち小児科医としては思います。