栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

発熱1日目の6歳の子にヒトメタニューモの検査なんかしませんよ。子どもにとって痛みを伴う無意味な検査はしません。合理的な理由が無い限り、保護者の希望だろうが、保育園の指示だろうが、総理大臣の命令でもやりません。

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

ホームページのお知らせに書いてあるように、子どもにとって痛みを伴う無意味な検査はしない方針です。合理的な理由が無い限り、保護者の希望だろうが、保育園の指示だろうが、総理大臣の命令でもやりません。

 

今、当院近辺ではヒトメタニューモウイルスの気管支炎が流行しています。風邪のウイルスの一種ですが、平均的な風邪よりも高熱や咳が続くことがあるちょっと厄介な感染症です。でも特別な治療法は無くて、重症化して点滴や酸素目的で入院が必要になるのでなければ、風邪薬で自然に良くなるのを待つだけです。

 

新型コロナは周囲の重症化リスクの高い家族(妊婦や高齢者など)への感染対策のため、インフルエンザは早期の抗ウイルス薬、溶連菌も抗菌薬投与開始の判断のためなどで早期に検査をすることはあります。RSウイルスやヒトメタニューモウイルスは年長児ほど軽く済む感染症ですし、薬もありません。だから、4歳くらい以上で熱が出て1日目の子にヒトメタの検査をするなんて全く意味がないのです。そりゃ痛みがなく費用も格安な検査ならやっても良いと思いますけど。

 

ではどういうときに検査が必要かというと、高熱が4~5日以上続く、咳嗽や肺雑音がひどいなどで、何かしらの特別な治療や入院が必要な病気(川崎病、細菌性肺炎、細菌性髄膜炎などなど)が疑われるときには、こちらからお願いしてでも検査します。当院など保険適応にならないので費用は病院負担になりますが、それでも行います。そういうときに行うRS、ヒトメタ、アデノなどの検査は陽性だと正直ほっとします。

 

問診票で希望する検査や処置を記入出来るようにしていますが、実際に行うかは私が判断することは明記しています。とにかく検査が目的で、私の診察も治療判断もどうでも良いと思われる方は、他院への受診をお願いいたします。