栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

年末年始の急な発熱にそなえて、市販の解熱剤と麻黄湯と、出来ればインフルコロナ検査キットを買っておきましょう

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

相変わらずインフルエンザ含めた感染症が多くて、外来も診察枠がすぐに埋まってしまって、うちの地区の小児科はちょっとした医療崩壊となっています。っていうか、ここ数か月ずっとそんな感じです。ずっとこのままなんでしょうか。

 

そして、もうすぐ年末年始です。多くのクリニックが連休に入る中で、休日診療所や救急外来はどこもあふれかえるかもしれません。そこで、子どもが年末年始に急に発熱しても出来るだけ自宅で様子を見れるよう準備について書こうと思います。

 

まず高熱に対して解熱剤が欲しくなりますよね。子どもに使う解熱剤はアセトアミノフェン一択です。これは座薬でも内服でも効果は変わりありません。ドラッグストアにも売ってます。市販の薬箱には成分量が書いてあります。年齢別に書いてあることが多いですが、基本的に小児科では体重を基に量を決めてます。体重1kgあたり10~15mgです。だから10kgなら100~150mgです。市販薬は1歳未満は使用不可になってることが多いので表向きには言えませんが、6か月以上ならまず問題ないし、病院で処方してるアセトアミノフェンの添付文書では3か月以上は使用可になっています(私は6か月未満には状態の改善悪化が分かりにくくなるのが嫌で処方しませんが)。目分量で体重に合わせた量を飲ませて良いと思います。なお、感染症による高熱で脳がおかしくなったりすることは無いので、熱でしんどがっているのでなければ高熱でも解熱剤を使う必要はありません。

 

咳や鼻水に対する風邪薬は、どのクリニックでも受診すると処方されると思いますが、はっきり言って何時間も待ってまで受診して入手するほど効果のあるものではないです。ただし、顔色が悪い、肩で息して眠れないほどのものは、薬どうこうではなく入院が必要かもしれないので受診しましょう。

 

あとインフルエンザとかコロナとか心配なとき。まずコロナは今や5類となり、子どもに使える薬もなく、コロナとわかったところで何も出来ないので気にしないでください。インフルエンザは早く診断がつけばタミフルなどの抗ウイルス薬を早めに飲ませたいという気持ちはわかります。しかし、休日診療所や救急外来では最近はインフルエンザやコロナなどの迅速検査をしないところも多いです。これは必ずしもインフルエンザだからといって、普段健康な人にまで全例インフルエンザ治療薬を使わなくても自然治癒するという考えからです。もちろん迅速検査をしてたら外来がさらにあふれて収拾がつかなくなるという事情もあります。実はコロナ禍以後、コロナと同時にインフルエンザも検査出来るキットが市販されています。それを使い自宅で検査して陽性になれば、そのキットを持参すればインフルエンザ治療薬は出してくれるところも多いかと思います(全国どこでも可能かは不明)。

 

市販の迅速検査キットはどのドラッグストアにも置いてるわけでは無いので、心配なら今のうちに探しておくのが良いかもです。結局入手出来なかったが、インフルエンザが心配なときは、インフルエンザ治療薬の代表選手のタミフルと同等の効果といわれる市販薬があります。麻黄湯です。これはよほどの虚弱体質の子には副作用が出ることもある漢方ですが、普通に生活している子なら大丈夫です。どこのドラッグストアにもあります。別にインフルエンザでなくても風邪による発熱には効く薬なのでおすすめです。熱が下がったら中止したら良いです。え?漢方なんて子どもが飲めるか!って?そこはゼリーなり、ねるねるねるねなり、チョコアイスなりに混ぜるとかして頑張ってください。意外と子どもでも飲んでくれます。

 

ざっとこんなところでしょうか。備えあれば憂いなしということで、みなさんが穏やかに年末年始を迎えられることをお祈りしています。