栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

「家族で十分話し合ってワクチンは打たないと決めました」って、正しい知識の無い人たちによる話し合いに何の意味もありません。

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

乳幼児健診などで時々ワクチンを全く接種してない方を見かけます。これはもうワクチンは一切接種しないというお考えなのかを保護者さんに問うと、「家族で十分話し合って決めたことです」と、少しのドヤ顔を添えて言われます。

 

日本人って何かを決めるときに、自分で考えることもなく周りがやってるならそうしよう的な人がとても多いので、話し合ってよく考えて決めるというのは素晴らしいことだと思います。ただ問題は話し合いをしたメンバーは正しい知識を持っていたかどうかです。ワクチンでいえば、予防出来る感染症の恐ろしさ、ワクチンの効果、ワクチンの副作用などに関する知識です。

 

正しい知識を得てない人たちどうしで、いくら話し合って考えても、その結論に何の意味もありません。私とあなたで、十分話し合って考えてサッカー日本代表を選考するようなものです。そんなことが出来るTVゲームがあった気がしますが、ゲームは負けてもそれだけですが、子どもの人生はゲームではありません。

 

「思いて学ばざれば則ちあやうし」という孔子の言葉があります、考えてばかりで知識を得てないと失敗しますよって意味です。ワクチンに関する正しい知識を得るのは、医療者でない方には難しいかもしれませんが、厚労省など公的機関が作成してるサイトなどは正しい情報を出しています。信頼できるかかりつけ医に質問するのも良いと思います。念のため言っときますけど信頼できる医師です、いくら信頼してても占い師や整体師や芸能人やじいじばあば(専門家でない)の言うことを聞いてはいけません。その人たちも正しい知識を持ってない可能性が高いからです。

 

正しい知識をもって話し合って考えたなら、ワクチンはすべて接種しないという結論にはなり得ません。心当たりのある方は改めて考えて、今からでも遅くないのでワクチン接種を検討して欲しく思います。