栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

「小児科医たるもの水イボは取るべからず」と誰かが言ってた。

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

「小児科医たるもの水イボは取るべからず」

 

以前、小児科医の友人が言ってて激しく同意した言葉です。水イボってご存じでしょうか?ある種のウイルスが原因で主に乳幼児に出来るイボです。詳しくはぐぐって下さい。で、このイボ、体中にたくさん増えることもあってびっくりしますけど、絶対に自然に治ります。1年以上かかることもあるけど治ります。それなのに取り除く治療がされることも多いです。昔と違って今は麻酔テープなどを使ってなるべく痛くないようにするらしいけど、それでも痛みはあるだろうし、何個もとらないといけないこともあるし、やられる方からしたら恐怖ですよね。

 

ほっといても治るものを、なぜ痛くて怖い思いまでさせて取らないといけないのか?見た目を本人が気にしたり、他児にいじめられたりする年齢でもないでしょうに。無知な保育園やスイミングスクールなんかがプールを制限したりしますけど、それはその保育園などの無知さを責めるべきで、そのために子どもが犠牲になることはありません。

 

水イボだけではなく、経口補水療法(胃腸炎で嘔吐するときにちょっとずつOS1などを飲む治療)で治るものを外来で点滴するのも、結果により方針は変わらないのに採血してアレルギー検査をしたり(すでに少量食べられているなどで)、鼻に綿棒突っ込んでウイルス検査(状態が悪くない児の治療薬のないウイルスとか)をするのも同じ。

 

何もしなくて治るなら何もしない、内服で治るなら注射はしない、周りの大人の興味だけで痛い検査はしない。やらないで良いことを見極められる小児科医でありたいです。

 

なお、あくまで私の個人的な考えと方針であり、小児科で水イボを取るところはそれ相応の考えでされていると思います。決してそういう小児科を批判するものではありません。