栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

治癒証明のための受診は、我々の負担だけでなく保護者の時間を奪い、子どもに新たな感染をもらうリスクを負わせ、診察が必要な患者さんが受診出来なくさせているという罪の深さに保育園は気付いて欲しい

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

インフルエンザ、アデノウイルス、溶連菌、たまに新型コロナと本当にいろんな感染症が流行しています。どれも感染力が強いので症状が消失してもすぐに登園登校が出来ないように決まりがあります。インフルエンザなら発熱翌日から5日間+解熱後2日間(幼児は3日間)を満たしてから登校可とか。

 

そのためか、最近患者さんに治癒証明書をもらうために受診を指示する保育園が多くて困っています。少なくとも厚労省からの通知で新型コロナとインフルエンザについては医療機関に治癒証明書を求めないようにと通知が出ています。こちらとしても受診してもらって診察所見で治癒証明をするのではなく、単純に患者さんにいつから熱が下がってるか聞いて書いてるだけなので、保育園で聞いて確認してもらうのと変わらないんです。

 

「簡単な証明書なんだから、そのくらい文句を言わず書いてやれよ」って思われるかもしれませんが、チリも積もれば山となります。そういう無意味な受診を増やすことで、我々の負担だけでなく、保護者の時間を奪うことにもなり、病院に来るということはそれだけ新たに子どもに別の感染をもらうリスクを負わせます。今どこも小児科外来は混雑していて診察する患者数を制限してるところも多く、そういう外来では無意味な治癒証明受診のために、本当に診察の必要な患者さんが診れなくなるのです。

 

いいかげんに、罪の深さに気付いて欲しいです。