栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

念のためのインフル検査は無意味です

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。まだまだ看護師、事務、脳波技師を募集中です!

 

インフルエンザが凄いですね。A、B型ともに、他にRSやアデノ、溶連菌も多いようで診る方も難しい時あります。学校や園ではちょっとしたパニックになっているようで、軽いカゼ症状で熱も無く元気な子に、念のために検査してもらってくるように言うところもあるようです。

 

まず前提として、インフルエンザに限りませんが診断は症状経過と診察所見(喉の状態とか)、検査結果を総合して判断するものです。「迅速検査陽性=インフルエンザ」ではありません。喉にインフルエンザウイルスがいたとしても、全く症状が無ければ「インフルエンザ感染症」ではないのです。だから、検査陽性でも症状が無ければタミフルリレンザも不要だし出席停止する必要もないです。だから検査する意味ないんです。

 

そもそも検査が万能ではないです。通常、迅速検査は発熱して半日くらい経過しないと陽性に出ないことが多いです。でも、出ることもあります。半日以上たって検査したのに陰性で、翌日に再検査して陽性になることもあります。陰性を聞いて安心される保護者の方も多いですが、半日後には陽性になってるかもしれません。私は検査以外のいろんな所見からどう考えてもインフルエンザなら、検査せずに診断して治療を勧めることも多いです。

 

学校や園で受診して検査を指示されても従う必要はありません。クリニックは保健所や厚生省からの指示には従わないといけませんが、学校や園の下部組織ではありません。検査をするかどうかは医師と患者さんの合意で決める事だから、患者さんが納得しなければ拒否して構いません。少しもインフル症状が無いのに受診して、病院でインフルうつされて帰ってくるなんてなったらバカみたいですよね。

 

軽いカゼだけの子に検査をしてインフルエンザと診断している病院もあるようで、余計に混乱させてるようです。だいたい熱が初めから無ければ、いつから発症で、いつを治癒として出席停止期間を決めてるのか不思議です。

 

現在、インフルエンザの患者さんも多いのですが、インフルエンザを心配して来るインフルエンザじゃない患者さんも同じくらい多いです。仮にインフルでも症状が軽ければ普通のカゼと同じです。家で温かくして栄養とって寝てれば治ります。冷静に対応しましょう。