栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

こどものマスクに関して当院の考え

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

子どものマスクについて。最近、「2歳未満のマスクは危険」と日本小児科医会から声明が出されて話題になってます。あちこちの小児科のブログやSNSでそれに追随する記事が挙がっています。日本小児科医会は「スマホに育児をさせないで」などといったどこまでエビデンスがあるんかわからない極端な声明(保護者を追い詰める可能性のある)を出すので、私はあまり好きではない学会で、会員でもありません。ちなみに日本小児科学会とは別のものです。

 

今回は米国CDCやアメリカ小児科学会の声明の引用で小児科医会独自ではないですが、新生児から2歳までひっくるめて危険って、乱暴な声明だなと最初思いました。CDCなどは2歳以上はマスク推奨としていて、2歳の誕生日を境にいきなり危険⇒推奨に変わるというのにも違和感しかないですね。

 

当院では3歳以上の熱や咳の患者さんで、強く嫌がるのでなければ院内では原則マスクをしていただいています。見ていると2歳前の子でも、大人や兄姉の真似をしたいのか上手にマスクをしている子もいます。苦しければ自分で外せる年齢ならマスクをさせても良いと思います。周囲の目が気になることもありますものね。逆に2歳以上でも嫌がるなら、無理矢理付けさせても触ったりずらしたりして正しく付けられないので、付けなくても良いと思います、意味ないですから。

 

基本的に現在のコロナ対策としてのマスクは、感染者が他人へうつすことの予防目的とされてるので、自分から動き回らないような赤ちゃんには危険云々以前に必要もありません。マスクによる熱中症は実際どのくらいのリスクなのかわかりませんが、病院や店内など付ける場所時間を限定して、車内や家庭では外すようにすれば、そこまで敏感になることもないと思います。運転してると車内でもマスクしてる人が多く見かけますね、家族との移動なら車内では不要です。外遊びのときも、マスクして動き回ると多分苦しいので外しときましょう。

 

幼稚園や保育園でのマスクはどうか?。させない方が良いと思います。小児科医会の言うようなリスクに対応出来るほど保育士の目が届かないし、どうせちゃんと出来ないし、マスクさせないと気になるほど咳鼻がある子はそもそも登園すべきではありません。

 

まとめると、2歳という年齢に関わらず、幼少の子のマスクは、子ども本人が嫌がらないことを前提として、咳や熱などカゼ症状がある時に、必要な場所や時間に限り、大人の目が届く範囲で、させるのが安全かつ効果的と思われます。