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栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

ここは院長ブログです。公式ホームページとインターネット予約はこちらへどうぞ。

栗東よしおか小児科 - 栗東よしおか小児科のホームページ

インターネット、携帯電話からの予約は以下のリンク(アイチケット)からお願いします。一般外来は当日の順番予約のみ、予防接種は60日前から予約できます。

http://park.paa.jp/clinic/1465/ ←インターネット予約はこちらから

湿疹が良くなったかどうかの判断は意外と難しい

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

乳児湿疹でもアトピー性皮膚炎でも、治療はステロイドなどの塗り薬でガツン一旦良くしてしまって、良い状態をキープしながら薬を弱くしたり、塗る回数を減らしていきます。その治療を弱くする過程で悪化したら、一旦また戻して(強い治療にして)良い状態にしてからゆっくり落としていきます。最終的には保湿剤だけまでにするのが目標です。この中で、スキンケア(保湿)や内服(かゆみ止め)を併用したりもしますが、やっていることは意外と単純なのです。だから、極端な話、2段階くらいの強さのステロイド外用剤を処方して、良くなったら弱い薬に変えて続けて、さらに良くなったら塗る回数を減らして、、、、などと説明して、患者さんだけで勝手に治療されても出来ないこともありません。

 

しかし、実際にそれをやろうとするとほとんど上手く行きません。「良くなったら」というのが極めて主観的な判断になるからです。一見良くなっているのように見えても、よくよく見たり触ったりすると軽く湿疹が残っていることもあります、どんなによく見て皮膚の表面がきれいでも、皮膚の下では炎症(湿疹の元)がくすぶっていることもあります。「この薬を1日2回塗って、お母さんから見て良くなったら1回に減らして良いですが、それ以後はどんなに良くなったように見えても1日1回で次回外来まで続けて下さい」といった説明をよくしますが、それでも「きれいになったんで薬やめました」といって次の外来に来られる方がしばしばいます。それで本当にきれいになっていれてば良いですが、ほとんどで少しずつ軽い湿疹が復活し始めています。かなりひどい湿疹の状態を経験しているからか、軽い湿疹と全く湿疹が無い状態との見分けがつきにくくなるのかなと思います。でも、その軽い湿疹のうちに弱めの薬でしっかりを抑えて健全な皮膚を維持することが、湿疹や乾燥になりにくい強い皮膚にしていくのにとても重要なのです。

 

風邪でもないのに病院に来る回数は出来るだけ少なくしてあげたいので、上記の例のように部分的にご家族の判断に任せて薬を増減変更してもらうこともありますが、基本的には外来で一緒に判断して調節していきたいと思っています。

記録するだけで良くなります

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

発熱、便秘、夜尿などの治療で、当院では必ず記録表をお渡ししています。すべての病気で言えることですが症状の経過を正確に把握することは、診断治療では非常に重要です。

 

「全然熱が下がらないんです!」と言って受診される患者さんでも、よくよく経過を確認すると初めは39℃台が一日中続いているのが、徐々に朝は解熱して夜だけ上がるようになっていたり、熱のピークが39℃台後半から39℃前半、38℃台と連日徐々に下がるようになっていることもあります。患者さん自身がその経過に気付いてないこともあり、とにかく熱(37.5℃以上)が続いてることに対して心配していることもしばしばです。

 

発熱時は熱の経過表(熱型表といいます)を書く習慣にして、朝昼夕眠前など定期的に体温測定をするようにすれば、それだけで同じ熱が続いていても危険な状態なのか様子を見ていてよいのかが分かります。

 

便秘の記録表は排便した日時、量、硬さ、痛みや出血の有無、内服状況などを書き込むようになっています。便秘治療中で毎日出ていると思っていたけど、急に硬くなって出なくなったというときに、よくよく排便の記録表を見ると、少し前から内服を忘れがちで、便も少しずつ硬めになってきていたとわかることがあります。それなら、また薬を増やすなどせずに、現在の服薬をしっかり忘れずにしてもらうだけで良いということになります。

 

記録をするというだけで、状態をしっかり観察しようとするし、服薬も忘れにくくなり、我々の診断治療も確実で効果的に出来ます。面倒くさいかもしれませんが、早く良くするためにも頑張りましょう。

小児在宅医療のこれから

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

先日のびわこ放送で放映された小児在宅医療を特集した番組が公式にyoutubeに挙がってたのでリンクしておきます。私が訪問して診ている患者さんとそのお姉ちゃん、お兄ちゃんが遊んでいる様子がとても可愛く映ってます。施設に入ってしまうと、こんなに兄弟で遊ぶ時間はほとんど取れないわけで、ああいう風景を見ると在宅医療のお手伝いが出来て良かったなと思います。

 

今日たまたまある会で、滋賀の小児科の多くの先生たちと話したんですが、テレビの効果もあってか、すごく在宅医療に関して期待してるようなことをみんなから言われました。少なくとも滋賀の小児科業界全体から(患者さんからではなく)自分が求められてるのは、感染症でも予防接種でもアレルギーでもてんかんでも発達障害診療でもなく、小児在宅のようです。

 

私としては、地域のかかりつけ医として感染も予防接種もアレルギーも発達も、もっと診ていきたいと思ってるんですけどね。もちろん、てんかんも。小児在宅医療をもっとやれということなら、今のままでは限界なので医者を増やさないといけません。それはそれで大きな決断になります。悩ましいです。

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ロタワクチンを受け無かったことをちゃんと後悔して欲しい

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

かなり久しぶりの更新になってしまいました、すいません。小児科繁忙期ですからね、という言い訳しておきます。この間、インフルエンザはいまだに多いし、近所の保育園ではロタ腸炎が流行してました。これからはインフルB型が増えてきそうですね。

 

ロタ腸炎で来られる方はやはりワクチンを受けている方は症状軽いです。私の中での分類では、重症ってのは脳症で寝たきりになったり、腎不全、心不全になって集中治療室で生死の境をさまよったりっていうのであり、数日下痢嘔吐で苦しんでぐったりしたり、脱水で入院したりのレベルくらいは軽症と思っています。でも今流行のワクチン済みのロタ腸炎は、ちょっと白っぽい下痢が続いてるけど元気で食欲もあるっていう程度の一般的にも十分軽症と感じられるものが多いようです。

 

以前書いたことがありますが、ノロ腸炎だと嘔吐が止まって下痢主体になると大概そのまま良くなって行くのですが、ロタは下痢だけでもダラダラ続いて脱水になっちゃいます。だから油断出来ない、怖いんです。脱水になっても点滴すれば治るとか思われるかもしれませんが、ウイルスをなめてはいけません。ウイルスは身体中の臓器機能を破綻させ、血管はボロボロになって、いくら点滴したって穴の空いたバケツに水を入れてるだけになり、漏れた水で顔も体もパンパンに腫れて死んで行くんです。

 

病初期に来られたロタ腸炎の方にはワクチンを受けてるか確認して、未接種の方には正直に怖い話しをしますし、もしワクチン接種してたら随分安心して見ていれたのにねって話をします。

 

はい、親を責めています、過ぎたことを言っても仕方ないのにね。ひどい小児科医と思われるかもしれません。ワクチンデビューの時にあれだけロタワクチンも勧めたのにっていう医療者としての気持ちがあるのも正直なところです。しかし何より、ちゃんと後悔してこれから生まれる弟妹はもちろん、これから親になる親戚友人に接種を勧めて欲しいのです。そして怖いウイルスはロタだけではありません、麻疹風疹、水痘、おたふく、インフルエンザと本気出されたら人類には勝ち目のないウイルスに対するワクチンを、今後は確実に接種して行ってくれることを願っているのです。

治せる薬が簡単に手に入る国と時代に生まれたのだから

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

高血圧だとか糖尿病とか大人は持病に対してずっと薬を飲み続けている方が多いと思いますが、子どもも喘息、てんかんアトピーなどと症状がなくても良い状態を保つために薬を続ける必要がある病気がけっこうあります。

 

症状が無い状態で薬を続けることが難しい患者さんもしばしばいます。外来では薬を毎日飲めてるか必ず聞いていますが、たまに忘れると答える方には具体的な頻度を確認します。月に1回忘れることがあるか無いかくらいなら問題ないことが多いですが、週に2-3回忘れるという方は厳しいです。本当に週2-3回ならギリギリ大丈夫でも、そう言う方の大半は実際にはほとんど飲んでない(飲ませてない)。それが抗てんかん薬なら血液検査で薬物濃度を測れるので簡単にわかります。

 

時々薬を飲めてない子どもに対して外来で叱る保護者の方もいますが、小中学生が自分だけで薬を管理するのはまだ難しいです。基本的に小学生は親管理、中学生は親子で、さすがに高校生以上には自分で自覚して飲むように伝えています。

 

続けるって言ったって、てんかんなら数年、喘息なら数ヵ月で終われることが大半です。逆にそれが出来ないと一生治らない病気になってしまいます。幼くして毎日薬を飲まねばならないのは不運なのかもしれませんが、治せる薬があってそれが簡単に手に入る国と時代に生まれたことを不幸中の幸いと思って、頑張って続けてくれたらと思います。

 

抗生剤を使うか使わないかの話です。

おはようございます。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

風邪に抗生剤は効かないっていうのは、風邪がウイルスによるものだという前提のもとでは間違いのない話で、どんなに不勉強なヤブ医者でもわかっていることです。それでも抗生剤をやたらと出す先生の言い分は、その風邪症状(咳とか鼻水とか)がウイルスではなく細菌によるものだとか、混合感染(ウイルス感染してるうちに細菌にも感染して悪化してる)してるからとかが多いと思います。

 

で、抗生剤を始めたらよく効いたってことになると、抗生剤出した先生からしたら「ほら自分の見立て通り効いただろ」となるし、抗生剤出すのに否定的な先生からしたら「それはたまたま自然に治るタイミングだったんだ」と言ったりされて、お互いにああ言えばこう言うになります。所詮、目に見えない世界の話ですからね。

 

効かないかもだけど悪さもしないなら抗生剤も飲んどきゃ良いやんってことにはなりません。あんまり使い過ぎると耐性菌(抗生剤が効かない菌)が増えて困るということで、今の感染症治療の主流は出来るだけ必要な時に限って抗生剤は大事に使いましょうとなっています。

 

私は細菌が居そうな汚い鼻水が続く子から、半分趣味みたいに鼻水の菌の培養検査をしてどのくらいの耐性菌が出るか見ています。ほとんどが肺炎球菌とかヒブで(どっちもワクチンで有名なやつ)、確かにマクロライド(クラリシッド、ジスロマック、エリスロシンなど)耐性肺炎球菌は多いですが、あらゆる薬が効かない多剤耐性菌は見たことありません。勤務医時代には、めまいがするほど何にも効かず途方にくれるしかない多剤耐性菌によく出くわしたものですが。

 

まあ、滋賀県はわりと節度のある抗生剤治療をされてる開業医さんが多いからかもしれません(近隣の某府とかメチャクチャみたいですし)。私は、以前に較べると思っていたより細菌性が多いと思うようになって、抗生剤使用機会が増えました。周りでは耐性菌もそれほど多くないようですし。抗生剤出さない派の先生には、細菌性であっても軽度なら抗生剤なしでも治るんだからやっぱり必要ないと言う方もいます。でも、所詮目に見えない世界の話です。前回のタミフルの話ではないですが、ひどくならないうちに抗生剤でスパッと治して、サッと引き揚げる方が良い気もします。

 

目に見えないミクロの世界のことであり、時間を巻き戻して別の方法を試すことも出来ないことですから、本当の真実は簡単にはわかりませんね。