栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

ここは院長ブログです。公式ホームページとインターネット予約はこちらへどうぞ。

栗東よしおか小児科 - 栗東よしおか小児科のホームページ

インターネット、携帯電話からの予約は以下のリンク(アイチケット)からお願いします。一般外来は当日の順番予約のみ、予防接種は60日前から予約できます。

http://park.paa.jp/clinic/1465/ ←インターネット予約はこちらから

乳児保健というものに力を入れていきたい

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。看護師、医療事務、脳波技師を随時募集中です。

当院では乳児期のワクチン接種に来られた患者さんで希望される方には接種後に体重測定をしています。主に当院の保健師が対応しています。これがけっこう好評でほとんどの方が希望されますし、やはり栄養が十分かどうかは皆さん気になるところのようです。母乳とか離乳食とかはいろんな情報があふれているから、悩むことも多いのでしょう。母乳相談も出来る保健師なので遠慮なく相談して欲しいです。

ワクチン接種の時に私に聞いてくれても良いようなことも、ちょっと聞きにくいこともあるのか計測の時にいろいろ質問されるそうです。栄養以外にも、湿疹、おむつかぶれ、出べそ、股関節が硬いと言われた、寝てる時間が長いが大丈夫か、離乳食開始前に検査をした方が良いか等々。お母さんが気にしてなくて保健師の方が気付いて指摘することもあります。程度や種類によっては改めて私が診察します。

保健、つまり「健康を保つ」という目標で、体重増加不良にしても湿疹にしてもアレルギーにしても程度が軽いうちに対応したり、発症を予防するということに力をいれてやって行きたいと最近特に思っております。もちろんワクチンも保健の一つ。やはり、病気になってから、ひどくなってからでは、治療に難渋することもあるし、本人にも家族にも負担がかかりますからね。

卵白を始めるのを遅れないようにしましょう

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。看護師、医療事務、脳波技師とも随時募集中です。

 

最近、離乳食を進めるのが遅い方、特に卵を始めるのが遅い、もしくは卵黄しか進めてない方が多いのが気になっています。理由を聞くとアレルギーが怖いからと。これ全く反対です。鶏卵アレルギーの発症は、早く開始するほど少なくなることが研究で証明されています(以下のリンク先参照)。卵黄だけは何も始めてないよりましでしょうが、卵黄はほとんど抗原性(アレルギーを引き起こす要因)がないので発症予防という意味ではあまり意味がないのです。

離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見(成育医療センター)

 

卵白は早いと5か月から開始を勧める意見もあります、せめて6か月から離乳食を開始して時間をおかずに卵白(20分以上の固ゆでで)を開始して、1歳までに卵1/2個くらいを目標に進めていきましょう(10年以上前に出た厚生労働省の離乳食ガイドラインでは鶏卵は7-8か月から開始になっていますが、それでは少し遅過ぎなので次の改定で訂正されるとのうわさです)。なお、何も症状が無いのに離乳食開始前にアレルギー検査をするのは無意味どころか有害なので止めましょう。アレルギーの数値が高くても食べられている可能性が十分あるのに、お母さんが数値を見て怖くなり該当食品を与えられずに何年も経過している例をよく見かけます。

 

もしすでに離乳食時期にアレルギー検査をされている方は、今後の対応について具体的に詳細に医師に相談しましょう。〇を1日〇グラム食べるようにして、〇(日or週or月)間隔で増量していくのか?必要ならいつ頃に負荷試験など行うか?などと。いろんなものを食べれるようになる離乳期を大切に過ごしましょう。

風疹は検査不要、風疹単独ではなく麻疹風疹混合ワクチンを接種しましょう!

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
看護師、脳波技師とも随時募集中です。

さて関東を中心に風疹が流行しているようです。風疹そのものは感染しても麻疹ほど重症化することなく、発疹は派手ですが症状の程度は軽く治ります(だから別名「三日ばしか」とも言われます)。問題はそれを妊婦さんに感染させたとき、先天性風疹症候群という眼球奇形、難聴、心奇形、脳障害などを持った赤ちゃんが生まれることがあることです。

マスコミやSNSを見ていると、抗体検査をして風疹抗体価が上がっているか確認をとか、風疹ワクチンを早めに接種をとか、言われていますが、どっちも間違っています!!!

すぐに麻疹風疹混合ワクチンを接種!、その一択です!

抗体検査して数値が高くても数年すればまた下がってくることも多いです、現実的なところ麻疹にも風疹にも直に接触する機会が少ない現代で、十分抗体値が上がっている方は少数派と思います。仮に抗体値が高くてワクチン接種して何か不都合があることはありません。わざわざ自費で抗体検査してワクチン接種するなんてお金も時間も無駄です!

そして、麻疹も同様ですが、折角混合ワクチンがあるのに単独ワクチンを接種する必要ないです。麻疹が流行してるときに麻疹風疹混合ワクチンを接種してれば風疹が流行しても慌てる必要ないし、その逆も同様です。混合ワクチンの方が少し高いですが、それぞれ別々に接種するよりはるかにお得です。もうね、麻疹も風疹も単独ワクチンなんて製造終了すれば良いのです!

というわけで、麻疹も風疹も自分のワクチン歴に不安のある方はさっさと混合ワクチンを接種しましょう。ちなみに、20歳台の若い方で親に聞いたら麻疹や風疹に感染したことあると言われたという人が時々います。その情報は怪しいです。実際、ここ20~30年の流行はいずれも散発的なので、親御さんは水痘か何かと勘違いしている可能性があります。怪しければ接種しましょう。

小さい子には出来る限り抗菌薬を使いたくない理由

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

看護師、医療事務ともに引き続き募集中です!よろしくお願いします!

 

「抗菌薬で下痢をしたと思って飲むのを止めたのだけど、それでも下痢が続くので薬のせいではなかったのでしょうか?」と言われる方がおられました。いえいえ、抗菌薬で下痢をするのは腸内で正常な腸機能を助けている何百種類もの善玉菌を皆殺しにしてしまうからです。ほぼ皆殺しになっているのですから薬を止めたくらいですぐに復活するわけがありません。乳児では抗菌薬による腸内善玉菌大量殺戮後に、正常な菌の分布状態に戻るのは3ヵ月かかるそうです。ていうことは、ちょっと風邪ひくたびに抗菌薬を飲んでいたら、何年もの間、腸内菌は殺されっぱなしというわけです。

 

ところで、この善玉菌の方々は腸の働きを良くするだけではなく、肥満を予防したり、脳の発達を促す物質を作ったり、様々な腸疾患を予防し、そして何といっても各種アレルギー疾患の発症を抑制する働きをしていることがわかってきました。この腸内の多様な菌の集まりのことを「腸内フローラ」と呼びます。腸内フローラを正常に保つことがアトピーや喘息などのアレルギー疾患を含めた多くの疾患を予防することにつながります。

 

ビオフェルミンやヨーグルトを食べると良いようですが、食品内の細菌の多くは胃酸に殺されてしまうので、メーカーがアピールするほどの効果はありません。ちなみに赤ちゃんの腸内フローラの形成はまさに出生時に産道を通るときにお母さんの細菌をもらい、母乳がそれを育てるのです。帝王切開や人工ミルクはマイナス因子なのですね。3歳までの形成過程が重要でそれが将来の腸内フローラを作るんだそうです。3歳以降に頑張って腸活しても遅いってことでしょうか、私など子どもの頃に抗生剤乱用されてた世代なんで、どうしようもない腸内フローラなのでしょうね。

 

といったことを、先日なぜか皮膚科の学会で多く聞くことが出来たので、いつもに増して、特に3歳未満は極力抗菌薬処方を避けるようにしているこの頃です。

親にアレルギーの病気があっても、子どもも同じようになることをそれほど心配する必要はありません

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

看護師、医療事務ともに募集中です!よろしくお願いします!

 

赤ちゃんの湿疹診療をしていると、ご両親またはどちらかがアトピーだったから心配と言われる方がいます。確かにアレルギー体質は遺伝しますが、必ずしもアレルギー体質の人がアレルギー疾患をすべて発症するわけではありません。つまり、アレルギー疾患は食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息アレルギー性鼻炎、花粉症などですが、それらがすべて発症することもあれば、一つや二つであったり、症状が軽いこともあるわけです。お母さんにアトピーがあっても、子どもは花粉症だけということもあるのです。もちろん、その逆もありです。

 

アレルギー体質の人はとても多く国民の3分の1にもなるそうです。印象としてはもっと多そうですよね。3月に花粉症は全くないと言っている人の方が少ない気がしますもの。これだけ患者さんの多い領域なので研究も進んでいて、最近では食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の発症メカニズムがわかってきました。

 

有名なものでは、離乳食開始前の乳児期早期の湿疹が食物アレルギー発症のリスクを高めるというのがあります。これはつまり、食物アレルギーを予防するには乳児湿疹をしっかり治療することが重要ということです。生まれて早いうちから保湿剤でスキンケアをして、湿疹が出始めたら悪くならないうちに早めに治療するということをしていれば、アレルギー体質であっても食物アレルギーは回避出来る可能性が高いということです。同時に乳児湿疹を早め早めに治療することになるのでアトピー性皮膚炎への移行も減らせます。

 

アレルギー体質は遺伝しても疾患そのものは予防や軽症化は出来ますので、スキンケアなど必要なことをしっかりやっていれば、それほど心配することではありません。

どうしても発作が無いと喘息定期薬を勝手に止めてしまう方へ

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

医療事務、看護師ともども募集中です!

 

梅雨が明けそうで明けない近畿地区ですね、しばらく雨続きだそうです。梅雨時期は喘息が悪くなる子が多くて、実際外来での吸入することもいつもよりは増えてますが、そうはいっても酸素が必要となるほどの子は見かけません。

 

私は学生の時に身近にしばしば喘息発作が出る後輩がいて、何度か救急外来に連れて行ったこともありました。喘息といっても名前しか知らなかったので、かなり呼吸が苦しそうになる様子を見てこりゃ厄介な病気だなと思いました。まさか将来自分がこれほどその喘息治療をすることになろうとは夢にも思っていませんでした。

 

ちょうどその頃にオノン(=プランルカスト、ロイコトリエン受容体拮抗薬のこと。キプレスやシングレアも同系統の薬、現在では主役級の薬ですね)が出てきて、薬理学が好きだった私は、なるほどアラキドン酸カスケードのここに作用するのか、これで効けばステロイドを使わなくても済むのかとかいう、ちょっとマニアックな感心の仕方をしたのを覚えています。たしかアイピーディーもこの頃だったかな、こっちも期待したけど今はあんまり使われてるのを見ませんね。

 

特に喘息を診たくて入ったわけでもない小児科では、嫌でも喘息はたくさん診ましたが、私が研修医の頃は酸素不足になるほどの呼吸困難でベッドの上で酸素を流し続けるテント(酸素マスクを嫌がって取ってしまう小さな子のために)の中で治療する子が沢山いました。それでも当時の指導医にはオノンが出て来てから随分重症の子は減ったんだと言われました。そのうちステロイド吸入薬(フルタイドとか)も出てきて、本当に喘息のひどい子を診るのは減りましたね。

 

小児科を含めた内科医ってのは、はっきり言って薬が無いと何にも出来ません。薬を開発してくれた方には感謝するばかりです。昔と言ってもほんの10~20年前までは喘息で、発作で入試を受けられなかったり、縁談に影響したり、海外旅行や留学が出来なかったり、つきたい職業をあきらめたりと、一生にかかわる病気だったのです。今はきっちり薬を使って治療すればほぼ確実に治せる病気になりました。ただし、きっちりと必要な治療した場合に限ります。こんなに恵まれた時代に生まれたのだから、面倒でも必要な薬を必要な期間はきちんと内服・吸入をして、子どものうちに治してあげましょう。