栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

20代の若い女性は精神的にまだ大人になりきれない未熟で不安定な存在なので、社会全体として守っていく意識が必要である

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

このブログを読んでる人には40代以上の方も多いと思いますが、お子さんだったり職場に入ってくる最近の20代の若い子たちって、私たちの頃と比べてすごく幼い感じがしませんか?自分たちの20代の頃ってもっとしっかりしてなかったかなって。

 

それ正しいです。近年、精神的に子どもから大人になりきるまでの期間(モラトリアム期っていうのですが)が長くなってきていると言われています。これは社会の変化(初婚年齢が高くなってるとか、ネット社会で直接人と関わりをもつ機会が減ってるとか)などによると考えられていますが、30歳前くらいまで精神的に未成熟で不安定なことも少なくないようです。

 

しかし、日本の現代社会は30年前(私が成人した頃)と変わらず20代の若者を大人として扱います。女性ならホストクラブに行くのも、ホテルのスイートルームで有名人の飲み会に参加することも、自身の責任のもと行動出来るという前提になっています。精神的に未成熟な子たちは当然ながら、リスクのある場を事前に察することも、望まない性行為の誘いを上手く拒絶することも出来ないし、すぐに警察に相談しないことも全くあり得ることです。発達障害の傾向がある子だったりするとなおさらです。そして、身体的にも地位的にも弱い立場である若い女性はしばしば性犯罪に巻き込まれていきます。最近話題になっている件でいうと、私は個人的には、複数の男性が20代の若い女性を密室に入れて飲酒させ性行為に誘うってだけでも、そこに同意があるなしに関係なく性的虐待と変わらないと思います。大物芸人や日本代表のサッカー選手が実際どうだったかはわかりませんけど。

 

なお、性加害の被害者が起こった事実を受け入れられず、加害者へお礼のLINEを送るような行為は年齢関係なく全く珍しくないことです。それを同意の証拠だとか言って出してくる弁護士もいますが、どんだけ無知なんだって話です。

 

重要なのは、私たちは社会全体で、20代の彼らを既に成人を迎えた社会人として尊重しながらも、まだまだ大人になり切れない不安定で弱い存在として、守っていく意識を持つことではないかと思います。

昨夏に死について勉強してたら、自殺の合理性に行きついた(書籍の紹介)

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

昨年の夏に「死」について少し勉強というか、いくつか本を読んでいました。夏休み明けに子どもの自殺が多いというのが気になって、その前に何かブログに書けないかなと思いまして。でも、あんまりまとまらず、自分の言葉で書くとありきたりな説教くさい記事になりそうで諦めたんです。

 

最近になって、また著名人の自死のニュースがあって、それが、「そんなことで?」というか、まあそれほど本人にとっては苦しいことだったのでしょうけども。ちょっと何か書きたいなとなりましたが、やはり自分の言葉ではハードルが高すぎて読んで印象に残った本の紹介をさせてもらうことにしました。

 

シェリー・ケーガン先生という大学の哲学の先生の講義をまとめた「DEATH 『死』とは何か」という書籍です。そこでは道徳的宗教的な要素を完全に除いて「死」について考察しており、特に自殺については、一言でまとめると「ほとんどの場合において合理的ではない」と述べられています。私が良いなと思ったのは「すべての場合」と言ってないところです、死んだ方がましという状況は稀ながらも存在することも述べています(全く少しも改善の見込みが無い病気の耐え難い苦痛が常にあるなど)。また自殺しようとする人に出会ったら、「その人は苦悩にさいなまれて振舞っているのであって、明晰に考えているわけではなく、情報に通じているわけでもなく、あまり有能なわけでもなく、それなりの理由があって行動しているのでもないに違いないことを想定すべき」と、つまり「死んだ方がまし」と考える人はそういう状況下で正しく自分の状況を評価できていないことがほとんどであることも述べられていました。

 

ちょっと難しいですけど、いわゆる哲学書ほどではなく読みやすいです。興味があったらぜひ読んでみてください。ちなみに自殺以外では、毎晩寝てる間は死んでるのと同じなんだって話が面白かったです。

 

赤ちゃんがよく寝てよく飲んでるけど、ゼコゼコしてて心配なときは

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

首が座る前の0〜4か月頃の赤ちゃんはごく軽い風邪での鼻汁や痰、何なら通常の唾液くらいでも、呼吸の時にゼコゼコ音がして鼻が詰まってるようだったり、息苦しそうに見えることがあります。それで鼻水を吸って欲しいと受診される方もしばしばです。でも、吸引してもほとんど鼻水は引けないし音も変わりません。

 

この時期はまだ体が柔らかく喉のあたりの気道もへしゃげやすい事とか、体重がよく増えて首周りがぽっちゃりしてたり、小顔で比較的顎が小さめだったりすると、鼻から気管にかけての気道が相対的に狹くなることなどが原因です。大概は首が座って体がしっかりしてきたら自然と改善します。

 

稀にそれが極端で、喉頭軟化症とか気管軟化症とかの診断で治療を要することもありますが、そういう子は呼吸が常に苦しいのでよく眠れなかったり、飲めないので体重が増えてないことが多いです。

 

だから、首が座る前の赤ちゃんがゼコゼコして苦しそうに見えても、よく寝て、よく飲んで体重もよく増えてて、機嫌良くしてれば、見た目ほど苦しくはないと思ってください。どうしても心配なら最も苦しそうにしているタイミングで動画を撮って受診されるのが良いと思います(診察時に限って静かに穏やかに息してることも多いので)。

そりゃ、ちゃんと説明しない医者が悪いんだけど、それに文句を言っててもしょうがないから

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

どんな科でも、診断や薬の説明をあまりしない先生はいます。経過と症状を聞いて、じゃあ薬出しとくから飲んどいて(塗っといて、吸っといて)で終わる。数日前からの風邪くらいで、数日の風邪薬をぽんと出して終わりならわかるけど、抗アレルギー薬を1ヶ月分とか、2ヶ月分入ってる点鼻薬やらステロイド吸入薬とか出されることもあるようですね。

 

受診した患者さんが何か薬を飲んでいるかは必ず確認しますが、他院で出されたものは処方内容によっては、今後の治療予定について確認します。「いつまで続けるように言われてるの?」「薬が無くなる頃にまた来るように言われてる?」などと保護者に聞きますが、「さあ、何も言われてません」っていう返事が少なくありません。「え?で、どうするつもりですか?この薬、2か月分ですよ?」って聞くと「さあ?」って。

 

ちゃんと説明してない医者が悪いのは間違いありません、でも、結局何もわからないまま薬を出されて困るのは患者さん自身なので、出来る限り確認しましょう。良くなれば中止して良いのか?、無くなるまで続けるのか?、無くなったらそのまま止めて良いのか?続けてても症状が変わらなければどうしたら良いか?など。診察室で聞きそびれたら、看護師さんでも、薬剤師さんでも、最悪帰宅してからでも電話して聞いても良いと思います。

 

かくいう私だって、説明が不十分になっているときがあると思います。頻度の多い疾患では診察後に看護師からも説明するようになっていますが、それでもわからなくなったり、疑問があれば、後からでも電話でも良いので遠慮なく問い合わせてもらえればと思います。

小学校に入るまでに平仮名の読み書きはどうするか

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

年少児(小学校入る前)から、英語とか算数とか漢字とか教える幼児教育に関して、私は詳しく知らないし、それが良いことかわからないし、後々の学歴や職業にどのくらい影響があるのかも全くわかりません。正直、あまり興味も無いので調べたこともありません。

 

でも、ちょっとこれは小学校入学前にやっとく方が良いだろうなっていうのが、ひらがなの読み書きです。

 

平仮名、というか日本語は生活の中に溢れていて、それほど積極的に教えなくても自然に覚えていく子も多いです。しかし、小学校入学時点で全く平仮名の読み書きが出来ない子もいます。小1の国語で勉強することになってはいますが、入学式の日から黒板には「ごにゅうがく、おめでとうございます」って書いてます。教科書や掲示板にも文字が書いてあります。既に平仮名、さらに漢字まで読める子も同級生にいる中で、彼らと同等に小学校生活が出来るのか疑問に思います。

 

読み書きは小1になってからでも良いと言うなら、すべての科目を開始する前に読み書きを初めに集中してやるべきと思うし、それが現実的でないなら入学までに平仮名だけでも出来るだけ読めるようにしておくように周知して欲しいですね。それに、自然に平仮名を覚えなかったということ自体も、単に興味を持たなかっただけかもしれませんが、学習障害(読み書き障害)の可能性があります。そういう子はなおさら丁寧にケアしないといけません。

 

ともかく、今春から小学校で読み書き全く出来ないという子は、今のうちから出来るだけ読み書き出来るようにしておきましょう。といっても、五十音表を1つずつ教えるようなつまらないやり方では良くないですね(たまに五十音表が興味を持つ子もいるので、それなら良いです)。子どもは楽しくないと学べません。絵本を使ったり、家族へ手紙を書いたりと、興味を持って楽しんで練習出来るように工夫しましょう。

束縛系小児科医ですけど、なにか?

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

世間では束縛系男子は嫌われるようですが、束縛系小児科医はどうなんでしょうか。

 

私は原則、慢性疾患の外来治療では次回予約を必ず取ります。ごく軽症であったり、他院かかりつけの患者さんがたまたまうちに受診したなどでなければ、状態に応じて間隔は変わりますが、完治するまで再診予約を取り続けます。そう、束縛させていただきます。

 

成人と違って、小児は治療を急がないといけなかったり、失敗無く治療を進めないとこじれる疾患が多いです。乳児湿疹や喘息はだらだら悪い状態が続くほど難治化するし、便秘はトイレトレーニングを始めるまでにコントロールしたいし、夜尿は出来るだけ宿泊行事が始まる前の低学年までに無くしておきたいです。そのためには最短ルートで無駄なく治療を進める必要があります。

 

次回は薬が無くなる頃に受診とか、良くならなかったら受診とかにしているクリニックもあるようです。それで適切に再診できる患者さんなら良いですが、薬が無くなって症状が悪化してから受診したり、良くならなくても大量に出された薬をだらだら続けてる患者さんが多い気がします。2週後にとか1か月後にとか、ざっくり再診時期を指定しても、それ通りに来てくれる患者さんは少ないと思います。

 

だから私はきっちり、何月何日の何時枠と次回受診日の予約を取ります。都合が悪くなれば変更可です。そういうのが鬱陶しいと思う方もいるかもしれません。でも、これは「私が必ず治るまで付き合います」という約束の証です。開業して10年近くたち患者さんも増えてきて、予約のやりくりが難しくなってきてますが、この方針だけは譲らず続けていきたいと思っています。

コンビニで品物のピッが終わる前にポイントカードを出してはいけません

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

たまにはどうでもよいこと書きます。

 

私は毎朝近くのコンビニで朝ごはんと昼ごはんを買って出勤するんです。で、ポイントカードってありますよね。dカードとかTカードとか。それを毎回出すんですけど、せっかちなので店員さんがレジで品物をピッとしている最中にカードを見せて読み込んでもらうんです。

 

それをやると、4回に1回くらい、店員さんが品物の読み取りが終わってオンライン決済をする前に「ポイントカードはよろしかったですか?」っておそらく習慣になってるんだと思いますが聞いてくれます。それで、「今見せました」って答えると、そうでしたすみませんと気まずそうにされるので、朝それを見てちょっと楽しんでいます。

 

みなさん、コンビニでポイントカード出すのは品物を読み込んだ後にしましょうね。

 

おしまい。