栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

加湿だけでなく加温を

こんばんは。

本年4月に滋賀県栗東市で開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

雪がすごいですね。そして外に出ると冷蔵庫のように寒いです。それでエアコンなんかで部屋をガンガン暖めると乾燥してのどが痛くなったりしますよね。喘息やクループなどでは乾燥で発作が悪化したりします。なぜ梅雨時期は雨が降って部屋の中もじめじめしてるのに、冬は雪が降ってるのに乾燥するのでしょうか?

 

それは中学校の理科で習う、飽和水蒸気圧が関係しています。空気というのは気温によって取り込む水蒸気(空気中の水分)の量が変わり、気温が高いほど多くの水蒸気を取り込みます。つまり冷たい空気が加湿されて湿度100%になってても、暖められるとそのままの水分量なら相対的に湿度が下がって乾燥した空気になるわけです。

 

これは人間の肺でも言えることで、いくら加湿器で高い湿度にした空気でも、それが冷たい空気だと呼吸すると体内で暖められて乾燥した空気になってしまいます。すると喉や気管の水分を奪うので、痰や気管分泌物が硬くなり出しにくくなり、咳が悪化するなどします。

 

患者さんの話を聞いてると、多くは加湿(吸入)への意識は高いようですが、加温はあまり重視されてないようです。喘息やクループになりやすい方は、ぜひ加湿だけでなく部屋の加温を意識するようにしてくださいね。