読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

オラペネム追記(デパケンとの関係について)

こんにちは。

4月16日に滋賀県栗東市に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

てんかんの治療薬のうち、おそらく最もたくさん使われているであろう薬で、バルプロ酸というのがあります。商品名はデパケン、セレニカ、ハイセレニン、バレリンなど。この薬はピボキシル基同様にカルニチンを消費します。だから、連日書いているピボキシル基含有抗生剤とはなるべく併用を避けていただくように説明しています。さらに、これは理由はよくわからないらしいのですが、カルバペネム系抗生剤と併用するとバルプロ酸の体内濃度が一気に下がって、けいれんしてしまうのです。ピボキシル基抗生剤との併用は注意くらいですが、カルバペネム系抗生剤との併用は禁忌(絶対だめ!)と添付文書にも書いてます。

 

患者さんには説明文など書いたのを渡して、くれぐれも他の医院で薬をもらうときは注意するように言ってますが、本当に心配です。まだ注射剤しかない時代は入院しない限りは大丈夫だったのですが、今や中耳炎とかで耳鼻科受診したら知らぬ間に出されそうで。

 

似たような話で、自閉症に適応が通っている数少ない薬にピモジド(商品名オーラップ)というのがありますが、これも有名なマクロライド系抗生剤(クラリス、クラリシッド、エリスロシンなど)と併用で致死性不整脈が起きるので併用禁忌になっています。オラペネムを出すような我々の小児科医仲間はまずいませんが、クラリシッドは救急外来で若い先生も気軽に出すような気がして、それだけが怖くて私はオーラップを処方したことがありません。

 

というわけで、オラペネムがバルプロ酸に対して、一緒になってカルニチンを消費するは、バルプロ酸体内濃度を下げるはで、てんかん診療医にケンカ売ってるような薬だということを、誰かに言いたかったということです。