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栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

子宮頸がんワクチンについて①(名古屋の調査と心身症と)

ワクチン勉強会 子宮頸がんワクチン

こんにちは。

滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

子宮頸がんワクチンに関して書きます。まず初めに、私自身本当にわからず悩んでいます。完全な賛成派にもなれなければ、否定派にもなれません。でも、じゃあ自分の娘に接種させるかというと、おそらく年齢が来たらさせると思います。ということは、やはり賛成よりなのかな。

 

で、先ごろ報告された名古屋市の調査についてです。回答数3万って凄いですね、さすが名古屋市です。で、その結果ですが、「関節やからだが痛む、頭痛、体がだるい、すぐ疲れる、集中できない、視力が急に低下、めまい、不眠、異常に長く寝てしまう、肌荒れ、簡単な計算が出来なくなった、簡単な漢字が思い出せなくなった、杖や車いすが必要になった、など」といった症状がワクチン接種者に有意に少ないということです(年齢補正後)。これってどうなんでしょう?有意差が無かったからワクチン副反応とされている症状と関連性が無いというならわかります。でも逆に有意に少ないってことは、子宮頸がんワクチンを接種すると、からだや関節の痛み、頭痛を予防したり、いつも集中出来るようになり、不眠にもならず、肌もつるつるでいられるってことでしょうか?すごいですね、これが本当なら私も今すぐ接種したいです。

 

正直、統計とか全然詳しくないので、おかしければご指摘くださいね。結局、この調査自体にどこか問題があるということだと思います。

 

子宮頸がんワクチンの副反応とされている症状は、不随意運動(体が勝手に動くこと)であったり、麻痺だったり、体の痛みだったり、光をまぶしく感じたりと、本人が意図的に作れたり、本人の訴え主体の症状が多いのです。これに血液や脳波やMRIといった本人では明らかに操作できないような検査異常が出れば良いのですが、それがほとんどない。こうなると、仮病とまで言わないにしても、思春期特有の不安定な心の問題からの症状(心身症)ではないかと思われるわけです。

 

心身症ってすごく多いんですよね、特に我々のような神経や発達を専門にしている外来には多く受診されます。ギランバレー症候群っていう急に体が動かなくなる有名な神経の病気があるんですが、大学病院勤務時代にこのギランバレー症候群疑いとして紹介されてきた患者の半分以上が心身症でした。診察と経過を聞くだけで、ほぼ心身症か身体的な病気かは見分けがつきます。検査はその裏付けと家族や本人に納得してもらうためにやります。ただ中には、どう見ても心身症じゃなさそうだけど、いくらやっても検査異常が出ないなんてことがあります。実際、ずっと心身症と思われていた患者さんで、後に思わぬところに重大な異常が見つかることもしばしばあります。

 

子宮頸がんワクチンの副反応を疑われた患者さんを、幸か不幸か私は診たことがありません。ただ、実際に診ている先生たちは、普段から心身症の患者をたくさん診てきて、やはり心身症とは違うんじゃないか、ワクチンとしか考えられないんじゃないかって思っているからこそ言われてるんだと思うのです。

 

次回に続きます。