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栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

子宮頸がんワクチンについて②(WHO声明とエビデンス)

こんにちは。

滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

子宮頸がんワクチンに関しての続きです。一つ前の記事でも書きましたが、私自身本当にわからず悩んでいます。完全な賛成派にもなれなければ、否定派にもなれません。でも、じゃあ自分の娘に接種させるかというと、おそらく年齢が来たらさせると思います。

 

名古屋の調査が報道されてから数日後に、今度は天下のWHOから声明が出ました。「policy decisions based on weak evidence, leading to lack  of use of safe and effective vaccines, can result in real harm」→「弱いエビデンスに基づく政治的判断は、安全で効果的なワクチン使用中止につながり、実害をもたらしえる」ということです。ほぼ日本を名指して非難してます。このエビデンスという言葉に医療者は弱い。「根拠」と訳されることが多いのですが、ちょっと一般の方が想像される根拠という意味とは違っていて、ちゃんとした調査で明らかだという結果が出たという「証拠」があるかという方がしっくりくるかと思います。

 

勤務医時代にあらゆる治療が効かなくて困っている患者がいて、藁にもすがる思いであまりメジャーでない治療をトライしているときなどに、カンファレンスで他のDrに「そんな治療にエビデンスがあるんか」とか言われて、「じゃあ、お前が治してみろ!ゴルァ!!!」と心の中で叫んでました。とまあ、要するにどちらかというと嫌いな言葉です。

 

横道にそれました。前記事にも書いたように、子宮頸がんワクチンの副反応と言われてる症状は、非常に主観的で多彩なものが多く、客観的なデータ異常が乏しいので、そもそも正確な調査がかなり困難なのではないかと思っています。それを無理やり調査すると結果として有意な差がない(エビデンスがない)という結論になってしまってるんではないかと思うのです。やるんなら、どうみても心身症では説明がつかない症例に限り副反応出現例として調査すべきではないかと思いますが、かなり難しいでしょうね。

 

似た話で、発達障害に関して、Aという薬がADHDには良く効いて、ASD(自閉症スペクトラム)には効かなかったとかいう調査がよくあります。ふだん外来していても、ADHDやASDの診断は経験すればするほど難しい、丹念な診察と発達歴聴取で間違いなくADHDだと思っていた子が、数年たってどうみてもASDになったりします。最初の診断段階がそもそも正しいのか(実際、チェックシートリストで診断されてることがしばしば)という疑問を持ってしまいます。もっと言えば、発達障害の治療効果は薬剤以外の要素が大きいので、その影響をちゃんと除外出来てるかも疑問です。

 

つい長文になってしまいます、次回に続きます。