栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

食物アレルギーに関して、もうちょっときちんとしましょうよ

 

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

季節がら新年度に向けて食物アレルギー管理指導表(学校や園への除去食の指示)の記載依頼をしばしば受けます。うちは清瀬こどもクリニックからの継承クリニックなので、清瀬先生に今まで書いてもらっていた、つまり清瀬先生が食物アレルギーの主治医だったって方は極力対応します。でも、今でも清瀬先生は時間が少ないですが外来をされているので本当は清瀬先生にお願いしていただきたいのですが。本来、その子の食物アレルギーに関して主に診ている医師が記載するものなのです。

 

ところが、本当の主治医は〇〇病院だが受診予約が先なのでこっちで書いて欲しいとか、去年は別の小児科で書いてもらっていたがもう行きたくないので書いて欲しいとか。それで、仕方なく状況を聞きながら書こうとすると、エピペン(アレルギーのある食物を間違って食べたときの救命注射薬)は持っているけど使用期限が切れているとか、10年以上前に検査でアレルギーと言われて除去しているけどこれからどうするのかわからないとか。一言で言うと、いいかげんすぎます。

 

食物アレルギーは大げさでなく死んでしまう怖い病気です。てんかん発作なんかよりずっと怖いと思います。学校や園はこの管理指導表を頼りに除去食や緊急時対応をするので、非常に重要な書類です。形式だけのものではないのです。本当にエピペンが必要なら期限内のものを使用法も熟知して持っておくべきだし、アレルギー症状が何年も出たことがないなら制限解除に関して主治医と相談して必要なら負荷試験も検討すべきです。

 

子どもの命を守るために、きちんとするべきところは、きちんとしないといけません。