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栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

熱性けいれんだから大きくなったら治るんでしょ?そうですよ、でもそれが本当に熱性けいれんだったらね。

小児の病気のこと 小児神経関係

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

熱性けいれん治療ガイドラインがちょっと前に、10年以上ぶりに改定されました。以前のガイドラインが今では考えられないくらい根拠が乏しい研究をもとに作られたものであったことや、頻度が多い割に長い期間ガイドラインが改定されなかったことがあり、個々の医者で治療方針がまちまちだったのは問題になっていました。

 

治療する側の心理として発作が起こらないようにしたいのがあるのか、過剰に治療されてる傾向があって、一回の短時間の熱性けいれんのために以後長期間(10年以上のことも)にわたり発熱するたびにけいれん予防の座薬を入れ続けてる子がいたりして。今回の新しいガイドラインは長時間止まらないけいれんがあったり、家族歴などの悪化因子がなければ、発熱時の予防座薬使用は不要としています。

 

でも、一方でやはりけいれんに関してもびっくりするほど楽観的な方がいます。5歳過ぎてガンガンけいれんしてるのに、熱性けいれんだからそろそろ起こさなくなるんでしょって思ってる方がいます。しばしばある誤解で「有熱時のけいれん=熱性けいれん」という認識です。発熱はてんかんを含めた多くのけいれん発作を起こしやすくなります。 熱性けいれんは多くが1歳前後に発症してほとんどが1〜2回で起こさなくなる、左右対称で数分で止まるけいれん発作で、遅くても5歳くらいで見られなくなるものです。全ての発熱時のけいれんが熱性けいれんとは限らないのです。

 

5歳過ぎて熱のたびに何度もけいれんしているようなら、限りなくてんかんなどに近い病気と考えて出来る限り発作を予防する必要があります。前述のガイドラインが示すように過剰な治療は不要とするのは、それが本当に熱性けいれんの場合に限ります。1回ごとの数分のけいれんで脳のダメージはほとんどありませんが、何度も繰り返すと少しずつ脳障害をひきおこすし、15、30分以上と長時間止まらないけいれんはそれ自体の悪影響に加えて、けいれんで呼吸が止まり血圧が下がることによる脳の酸欠で取り返しのつかない後遺症を残すことがあります。

 

けいれんを甘く見ないようにしましょう。