栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

赤ちゃんのこまめな体重測定のすすめ

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

当院では2か月のデビューワクチンから特に希望されないとかでなければ、体重測定を行っています。乳児期早期において体重増加は順調に子どもが育っているかを確認出来る最も重要な指標です。2か月以降はワクチンが1か月毎にあるから当院でワクチンを始めている子の多くは少なくとも1か月毎に体重の推移を確認出来ます。

 

計測時点で問題なく栄養がとれているかを評価できることはもちろんですが、今後問題が起きたときに、体重をこまめに測っていれば問題の発生時期や深刻度を推察することも出来ます。例えば嘔吐が増えてきてると受診されたときに、消化管の重大な疾患などがあれば体重増加不良(体重減少含め)があるはずですし、逆に赤ちゃんでしばしばある病的ではない嘔吐(げっぷが苦手、空気をよく飲むなどが原因)であれば体重増加に問題がないことが多いです。といったことからも、2か月未満で初めて当院を受診された方にも、それが湿疹や目やにが主訴だとしても原則体重測定をしています。病院以外でも訪問保健師さんが測ってくれたり、デパートの授乳室で測れたりするので普段から体重チェックをしておくと良いと思います。

 

体重増加に問題があった場合は、当たり前ですが栄養などに関して状況を確認します。重大な病気が隠れていることもありますが、主には授乳や離乳食に関することになります。授乳(母乳、ミルク、混合とわず)や離乳食を進めるのでも、ちょっとした誤解や間違った情報でのやり方をされていることもあり、保健師助産師からのアドバイスだけで解決されることも多いです。特に乳児期早期で母乳育児をされてる方には、乳腺炎や乳口炎といった乳房の問題が見つかることがあり、その際は当院の母乳外来を利用していただくこともあります。また最初から採血や薬物治療となることはほぼ無いですし、問題を指摘して終わりではなく、必ず解決するまでしっかりフォローしますので安心してください。