栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

子どもの発達の遅れを指摘されたときの向き合い方

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

乳幼児健診や保育園幼稚園などから、子どもの発達の遅れを指摘されたときはいろいろな想いが交錯すると思います。本当に問題になるような遅れなのか個性の範囲じゃないか、早いうちに何か急いで対策しないといけないんじゃないか、自分の育て方に問題があったんじゃないかとか。

 

問題となる発達の遅れかどうかは、健診では既に決められた複数のチェック項目で判断していますし(1歳半で意味のある単語の発語が3つ以上あるかなど)、何かしらの病気の症状としての遅れでない限りは急いでやらないといけない対策はありませんし、ひどい暴力やネグレクトといった極端なことをしてなければ育て方は関係ありません。

 

発達の遅れに対する療育施設やリハビリも勧められたら積極的に利用していくのが良いでしょう。複数の人に子どもを見てもらいながら相談相手を作っておくのは、家族の心的ストレスを和らげると思います。でも、いろんなところに行かなきゃいけないと負担に感じるようなら無理しなくても良いと個人的には思います。

 

いくら平均から遅れていても子どもの発達は伸びるし、それは特別な対応をしなくても伸びていきます。自閉性の有無だとか、苦手な要素などによって、どういう接し方や遊び方が発達を伸ばすというのはありますし、療育やリハビリはそれを実践する場になります。でも、私はそれより家族と楽しく過ごす環境の方がずっと発達を伸ばすような気がしています。エビデンスはありませんけど。

 

発達の遅れを指摘されたとき、それを受け入れるのにタフな状況もあると思いますが、今まで通り子どもとの生活を家族みんなで楽しむことが、結局は一番のリハビリになると私は思っています。