栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

断乳が、あたかも水道の蛇口をひねるかのように簡単に出来ると思っている医師や薬剤師

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

世に出ている薬の添付文書(正式な説明書)には、授乳している人への処方に関して、「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること」や「授乳中止することが望ましい」と記載されているものがほとんどです。

 

実際には授乳を止める必要なく飲める薬がほとんどなのですが、正式に多数の授乳婦に関して調査して安全を確認するまでされてないので、こういう記載になるようです。でも、こう書かれている以上は授乳を止めて薬を飲むように指示する医師や薬剤師もまだいるようです。

 

そう、断乳があたかも水道の蛇口をひねるかのように簡単に出来ると思っているかのように。けっこう気軽に。いきなり断乳させられたときの、母子の心身の影響を全く知らないようです。確かに絶対に授乳してはいけなくて、治療上その薬を飲む必要があるときもあります。そういう時も、十分に準備をして断乳を進めないといろんな障害が出てきます。

 

医師、薬剤師に気軽に断乳するよう指示されたら、本当に断乳が必要なのか、必要ならどのように進めれば良いか、ぜひかかりつけの小児科に相談するようにしてください。

 

国立成育医療センターが授乳中にも使用できる薬の情報を公開しているのでリンクを貼っておきます。ご参考に。

www.ncchd.go.jp