栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

魔法の塗り薬なんて無い!

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

現在も看護師、医療事務、脳波技師ともに熱く募集中です!

 

乳児湿疹やアトピー性皮膚炎で遠方から受診に来られる方が増えてきました。ありがたいことです。その中で先日、同じ薬を近くの小児科でもらうことは出来ませんか?と聞かれる方がおられました。

 

結論から言うとそれでは全く意味が無いのです。まず処方してる薬は全く特別なものではありません。ごく一般的なステロイド剤(プロトピックも含めて)とごく一般的な保湿剤です。多分それまで近隣の小児科や皮膚科などで出されたものと違いありません。当院での治療の主体は薬の使い方とスキンケアを習得してもらうことにあります。入浴や体の洗い方まで含めてです、外用の量や部位はかなり具体的に説明します。診療時間自体が私の診察より看護師からの説明の方が長くなることも多いです。こちらがお伝えした通り出来ているかの確認のため初めは週単位、落ち着いても月単位でしばらくは定期的に通院してもらいます。詳細に伝えたつもりでも、誤解があったり、さじ加減の違いでこちらが意図したように出来ていないときに方向修正するためです。もちろん上手く行ってれば、出来るだけ早く薬の強さや塗る回数を減らして行く(基本的に私が決めます)し、それを判断するためでもあります。

 

うす塗りにならないように、たっぷりめに外用薬は処方することが多いのですが、定期受診すると言われたのに受診されず、処方された外用薬を自己流でチマチマと数か月にわたり悪い時だけ使い続けるというのは最悪のケースです。難治化する可能性が非常に高いです。繰り返されている方には処方をお断りしています。子どもの湿疹の難治化に協力したくありませんから。

 

湿疹治療に魔法の薬はありません。何にも考えずにそれさえ塗ってれば治るというのはかなり強いステロイドが混ぜた調合薬です。それもそのうち効かなくなります。

 

すでに湿疹の治療で受診しているのに上手く行ってない方は、処方をうけている病院で薬の塗り方などをよく質問して確認しましょう。しっかりとした回答をしてもらえなければ病院変えた方が良いかもしれません。