栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

サプリメントについて考えたこと、思っていること

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

サプリメントについて意見を聞かれたのでちょっと考えてました。実はあんまり興味が無く知識もありません。自分が飲んでるものがあったかなと思い出してみると、趣味で筋トレしていることもあり、まずカルニチン(脂肪の分解を助ける)、プロテインもサプリに入りますかね、あとそう便秘がちなんで食物繊維(イージーファイバー®)も飲んでるけどこれもサプリでしょうか?興味ないとか言いながら、結構飲んでますねw

 

脂肪を分解するサプリってたくさん出てると思うんですけど、なぜカルニチンかっていうと薬として臨床現場で使われていることで信頼があるから。しかも実際に私もけっこう処方しています。ある種の抗てんかん薬の副作用で血中カルニチン濃度が低下して、脂肪の分解が抑制されて太りやすくなることがあり、それを防ぐためにカルニチン製剤を処方しています。その他にも、カルニチン代謝異常症や、抗生剤による低カルニチン血症だとか小児科医にとっては馴染みのある病気があったりします。

 

〇〇に効くっていうサプリでも、薬品として製剤化されてないものはそこまで効果と安全性が証明されてないんだろうとは思います。しかし、薬品化してないことが効果が全くないと証明されてるわけでもないでしょうから、それを飲むかどうかはお値段しだいになるのでしょうか。

 

紅麹サプリ事件も記憶に新しいですが、それだからサプリ全部が危険だろうというのは無理がありますね。加工して売られている食品など含めて、あらゆる口に入れて飲み込む商品にはリスクがあり、だからといって気を付けようもないし、有害なものに当たるかどうか運ということになるんでしょうね。

 

最後に大切な話です。サプリはごく軽い体調不良の改善だとか、さらなる健康維持を期待してとかで利用するのは良いですが、病気を治すことにかけては病院で行われる治療に到底かなわないです。癌も喘息もアトピーも便秘も、様々な疾患で行われる標準的治療ほど安全で効果的なものはサプリにはありません。そこは間違いないようにしましょう。そしてもう一つ、藁をもすがりたい病人やその家族を標的にした弱者ビジネスの手段として、サプリ販売は代表的なものです。本当に最低ですよね、医者として許せません。もちろんそういう業者ばかりではないですが、常に注意を払っておくようにしましょう。