栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

私は父親で子育て経験はありますが、それを活かした育児支援も診療もしません

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

私も父親でそこそこ年長の子どもたちもいます。小児科医とはいえ育児は上手くいったことも、上手くいかなかったこともいろいろあります(まあ、ほとんどのことは母親がやってたとも言えますが)。そういう経験を日々の小児科クリニックでの育児支援や診療に活かせることはほどんどありませんし、完全に患者さん家族の気持ちを理解することも出来ないです。なぜか?当たり前のことで、子どもによってそれぞれ全然違うからです。

 

子どもの特性や能力の多くの部分は遺伝子で決められていて、家族の接し方や環境の影響は部分的です。だから、一つの問題に対する対処(例えば母乳を上手く飲めなかったときどうするか?、落ち着きがない子の対応は?など)は、ある子には上手くいった対処法が、別の同じ問題のある子に上手くいくとは限らないわけです。もし、育児で悩んでいるときに子育て経験のある家族(祖父母など)やママ友などにうっかり相談してしまい、経験を活かした指導(ていうかマウント)をされても、気にしないようにしましょう。

 

私たちの育児支援や診療は、ある子どもの問題に対するあらゆる評価や対処法を、単純に知識(それは仕事での経験を介して得た知識は含みます)を使って検討し実践します。個人の経験を振りかざして、それで患者さんに寄り添ってるつもりなってる医療は、プロフェッショナルではないと考えています。