栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

3日続けて塗っても少しも良くならなければ、それ以上続けずに受診しましょう

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法といえば現在の治療の主流で、ググればいくらでも出てきますが、湿疹が良くなった後も週2回とかでステロイド外用を続ける、途中で悪化した部分があれば1日2回連日などにして、良くなったらまた週2回で続けるといった治療です。

 

この悪化時に塗る回数を増やすことなんですが、これ想定では2~3日以内にきれいになってまた週2回に戻される予定なんですよね。それが時々、定期診察に来られたときに、1日2回を2週も3週も続けられてることがあって絶句することがあります。まあ、良くなってないから指示通り連日塗り続けていると言われれば、全くその通りなんです。

 

それで、こういうときはどういうことが考えられるかなんですが、湿疹に対して使っているステロイドが弱すぎる(塗り方の問題は既に習得されてるとして)、もう一つ重要なのがそもそもステロイドが効く皮疹ではない、下手したらステロイドを塗ることで悪化する皮疹のことがあります。

 

最近だと、流行してる手足口病の皮疹とか水いぼといったウイルスによる皮疹にはステロイドは全く効きません。後頭部によくあるアザ(ウンナ母斑)を湿疹と思って塗られてることもあります、当たり前に効きません。さらに、これから増えてきそうなとびひ(細菌が感染して悪化してる皮疹)とか疥癬(ダニ)の皮疹とかはむしろステロイド単独では悪化します。おむつかぶれにカビが感染してるところにエキザルベ(ステロイド)なんぞ塗ってたら目も当てられないくらいひどくなります。

 

普通、何らかの病変に対して、外用薬を連日十分量を塗っていて、効くなら1~2日で良くなって来ます。3日以上続けて塗ってるのに変わらないのであれば、その薬は効いてない、もしくは悪化させる可能性があるので、漫然と塗り続けずに受診するようにしましょう。これはステロイド以外の薬でも同様です。