栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

子宮頚がんワクチン接種の積極的勧奨(当院だけの)を開始して4か月経過しましたが

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。看護師、医療事務、脳波技師、熱く募集中です!

 

子宮頚がんワクチンの安全性、必要性を訴え続けてきたジャーナリストで医師でもある村中璃子さんが、ネイチャーという世界で最も権威のある科学雑誌から表彰されてのスピーチ全訳が出てたのでリンクを貼りました。これを読んで、やっぱり子宮頚がんワクチン接種しよう(娘にさせよう)と思ってくれる人が増えたら良いなと思います。

ジョン・マドックス賞受賞スピーチ全文「10万個の子宮」|村中璃子 Riko Muranaka|note

 

当院で子宮頚がんワクチンを積極的に勧めるようになって4か月ほど経ち、最初の頃はパラパラ接種される方がいましたが、残念ながら最近ぱたりと止まっています。勧めていて驚いたのは、話をした患者さん全員がこのワクチンに関する報道を知っていることでした。例えば、少し前にあれだけワクチン製造に関する不正を報道された化血研のことを全く知らない患者さんは結構おられたんです。だから子宮頚がんワクチンの騒動自体を知らない人もいくらかはおられると思っていたんですが、全員知っていて全員不安に思っておられました。

 

そしてもう一つ気付くのは、定期接種の期間が小6~高1というところで、公費接種が出来るギリギリまで様子を見ようとする方が多い。通常のワクチン接種を考えるときは、水痘でもB型肝炎でも、明日にでも感染するかもしれないから早く接種しようということになるのですが、子宮頚がんワクチンは性行為によってのみ感染するものですから、「うちの子はまだまだ幼いから、さしあたりそんなことにはならないだろう、急いで接種する必要はない」と皆さん思ってしまうのですね。高1になると感染してしまう前に接種するというより、自費接種になると3回で5万円近くかかることになるから、すぐに接種するかを考えるといったふうです。そうすると、接種を差し迫って考えてくれるのは高1くらいになってしまうのですが、さすがにうちは小児科だから高1の患者さんはかなり少ないのです。

 

いつの時代も親が思う以上に、子は心も身体も成長して行きますし、高校にもなれば感染する機会も出てくると考えるべきです。せめて中学のうちに接種して欲しいと思います。あと、高校生が受診するであろう内科とかでももっと勧めて欲しいですね。