栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

発達障害の子が将来に目指すのは、周りを敵にまわしても一人で強く生きて行くことか?

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

新年度になり1か月が過ぎて、発達障害の子と同級生との間のトラブルが早速ちらちら聞いています。

 

インクルーシブ教育というのは確かに難しいです。でも社会性・コミュニケーションの障害があればトラブルは起きて当たり前なので、発達障害の子を通常学級で見ていくなら、現場の大人は十分に注意してトラブルへ発展をしないように見守らないといけないです。そういう子ども同士の経験も必要だろうとか、雨降って地固まることもあるだろうとか思う人もいるかもしれませんが、現実にはそれほど楽観的ではなく、子どもたちの心は深く傷つきます。そして、発達障害の子は良い友人関係を作ることに自信を失い、通常学級の定型発達の子は今後の人生で支援学級にいるような発達障害の子と関わることを避けるようになるかもしれません。

 

発達障害の子が生きていく上で目指すのは、どこか変わってるけど、なぜか嫌いになれない、周りから愛される子を目指すことだと考えています。いじめの対象にならないようにすることもですが、避けられる対象にならないようにすることも重要です。入学して1か月のこの時期はとても重要です。

 

最近ネットで、某有名女性ミュージシャンが発達障害の自分の子のことについて話した記事を見かけました。「唯一できることと言ったら、この世を去るまでに1人でも多く豆太(この方の子ども)の味方を増やすことかなと思っています」というお母さんの言葉があり、よくわかってるなって思いました。周りを敵にまわしても一人で強く生きて行けることを目指すのではなく、周りから愛されて困ったときは助けてもらいながら生きて行けるようになることを目指す。それはもう小学校に入ったときからは特に意識していかないといけないと思います。

 

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