栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

子宮頸がんワクチンの新製品が承認されましたが、定期接種になるまでにはまだかかりそうなので、待たずに接種を勧めます

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

HPV(子宮頸がん)ワクチンの新製品である「シルガード9」が国内で正式に承認されました。現行のHPVワクチンにさらに5つのウイルス型が追加されたもので、当たり前ですが多くの型が含まれる方が予防効果も高いことが予測されます。海外ではこれが既に主流になっています。

 

月に数人ずつではありますが、当院では少しずつHPVワクチンを接種しています。先月頃からこのシルガード9が国内承認が近いとの報道があり、中学生以下の方には接種開始を延期をしていました。だって、接種始めた途端に新製品が定期接種で使えるようになれば、新しい方で始めたかったって思う人もいるでしょうし。

 

ですが、メーカーなどに確認していくと、自費接種するにしても早くて年始くらいになりそうで、定期接種として(公費で)接種出来るようになるのはさらに先になりそうとのことでした。

 

というわけで、接種考えている方はもう始めましょう。小6から接種開始出来ますが個人的には中2頃からで良いと思います。何故かというと初めて性行為をする前に接種すれば良いからです。ワクチン効果もうん十年と続くわけではないので、あんまり早過ぎると無駄になってしまうかもしれませんし。いくら最近の子は早熟だっていっても、さすがに小6~中学生でってことは無いだろうと思う私は甘いでしょうか。

 

逆に、あくまで新製品が接種出来るまで待ちたいというならそれでも良いですが、接種出来るまで絶対に性行為をしないように言い聞かせて下さいね。ということが出来る親子関係もまれだと思うので、もう接種始めましょう。どうしても気になるなら、後から新製品(シルガード9)で接種し直すことも出来ますし(自費になりますが)。

 

かつての副反応の報道で接種に不安を持たれている方もおられると思いますが、現在76人に1人が罹患する子宮頸がんです。一方で不可逆の重大な副作用は10万人に5人程度です。副反応に関してはまだ解明されてない部分もありますが、頻度(数字)を見て、どうすべきか冷静に考えていただきたいと思います。

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