こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
4月になって風邪症状で受診される方も減りぎみだったのですが、後半から急に増えてきて冬場とあんまり変わらないくらいになってました。4月から保育園や幼稚園に行き始めた子たちが、初めての集団生活でウイルスや菌をもらいまくってやられてるようです。もうこれはしょうがない、誰しも通る道でこうやって強くなっていくと思いましょう。
で、問題は治療なんですけど、この手の保育園風邪がどこまで症状にウイルスか細菌が関与しているかで抗生剤を使うか悩みます。以前にも書いたように、こういう子たちの鼻汁の菌を調べると肺炎球菌やヒブがうじゃうじゃ検出されます。ただ菌は出ても、どこまで咳鼻や熱の原因になってるかわからなくて、そこにいるだけで何も悪さをしてないかもしれない。それなら安易に抗生剤を度々使うとなまじ菌を鍛えてしまうことになって(耐性化)、本当に菌を殺さないといけない時に薬が効かなくて困ります。でも、あんまりウイルスと見込んで自然治癒を待ちすぎると蓄膿や酷い中耳炎になってしまいます。
感染症の専門家は、風邪の9割はウイルス性であるし仮に細菌でも軽度なら抗生剤は必要ないと言っておられますが、これは少なくとも乳幼児に関しては絶対に違う。私の現在の感覚では2-3割は適切に抗生剤を併用する方が良いように思っています。
でも、メイアクトとかフロモックスとかの第三世代セフェム系、あれだけ腸からほとんど吸収されない(これは実際に調べてる研究結果と思うので真実でしょう)から意味ないって言われてるのにしばしば処方されてるのは何故なんでしょう。これらの薬は効かない以外にも弊害があるので正直出して欲しくないです(以下のリンク参照)。私はもう何年も出してません。