栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

連休中に熱が続くときは、、、

おはようございます。

滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

ブログひさしぶりの更新ですいません、最近心身ともに疲れてしまって書く気になれませんでした。楽しみにしてくれてる方もおられるようなので、ちょっとずつ書いて行こうと思います。

 

シルバーウィークまっただ中ですね、昔はこの時期はいい感じに飛び石連休だったのに、いつからかまとめて連休になりましたね。旅行とかでまとめて休めるようにという配慮でしょうけど、私は飛び石連休中のあの何とも身が入らない仕事(学校)の日が好きだったので、余計なことをしてくれたなって感じです。旅行つっても高くて混み合うんだから、どうせ行かないし。

 

で、こういう連休中はどこの医療機関も休みで、そんなときに子どもに熱が出てなかなか下がらないと困ってしまいますね。今回はそんな続く熱の話です。誤解されてると感じる点をいくつか挙げたいと思います。

①熱が高いほど重症ではないです。38℃か40℃かが問題ではありません。38℃でもぐったりして飲食出来なければ良くないですが、40℃でも水分が摂れて、機嫌よく遊んでたら大丈夫なことが多いです。

②解熱剤で下がるか下がらないかは、重要ではありません。特に初期の熱の勢いが強いときは解熱剤では下がりにくいです。平熱になんてなるわけなく、0.5℃も下がればだいぶ楽になってると思ったほうが良いですね。むしろ急に上がったり下がったりする方がしんどいのじゃないかと。

③熱が続いてても、1日の熱のピークが下がってくれば心配ないことが多いです。よく熱で受診すると熱型表を渡されるでしょう。それはこれを確認したいからです。いわゆるカゼ(ウイルス感染)の長引く熱はこうして下がっていくことが多いです。

 

ほら救急外来とか行って、いかにさっき気付いた熱が高いか、いかに解熱剤が効かないかを訴えても、医者はカルテに書いてる様子もなく、聞き流されてると思ったことはないですか。こういうことなのです。

 

反対に心配になる熱を挙げてみます。

①40℃くらいの高熱が3日以上全く下がる気配なく続いてるとき。上述のように本人が元気なら良いですが、ちょっとこういうときは気持ち悪いです。入院で抗生剤をしっかり入れないといけない細菌感染(肺炎とか腎炎とか)だったり、川崎病じゃないかとか、気にして診ています。

②熱の下がる気配がないのに加えて、他の症状が強いとき。咳、頭痛、嘔吐下痢、腹痛などがひどくなってきてるときです。肺炎とか髄膜炎とか虫垂炎(盲腸)とかになってるかもしれません。

 

こういうときは、休日診療所か救急外来へ行きましょう。とはいえ、連休中でもすぐに対応しないといけないのは、抗生剤を入れないといけない細菌感染だったり、特殊な治療が必要な川崎病だったり、手術が必要な病気などと限られてます。アデノウイルスみたいに強いウイルスなら直接の治療薬は無いし、肺炎にもなるときはなります。よほどひどくないと入院とか不要です。夏カゼやおたふくかぜからも髄膜炎になることが多いですが、これも治療法がないので同様です。

 

1歳前後くらいの子で40℃が3日続くと心配ですよね。診る方もちょっと心配になるときあります。結局、突発性発疹だったりするんですが。突発性発疹は教科書的には熱のわりに元気なのが特徴って書かれてるんですが、最近の子は普通にぐったりします。ヒトという生物が弱くなってるのか、ウイルスが強くなったのか。悩ましいですね。

 

では、良い連休をお過ごしください。