栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

子どもも新型コロナワクチンを出来る限り接種した方が良いと思います

こんにちは。滋賀県栗東市栗東よしおか小児科院長の吉岡誠一郎です。

 

新型コロナウイルス流行6波が完全に5波を超えてきました。当院でも連日陽性者が出ています。軽い熱くらいの風邪症状の子どもたちが陽性で、そこからほぼ無症状の家族の陽性がわかるといった感じです。結局ワクチン接種してる大人だと、検査すると陽性でも実質発症してないケースって多いんじゃないかなと思っています。つまり、大人でもワクチンの発症予防効果は無いといわれてますが、そうでもないんじゃないかという印象を持っています。

 

今回は迷っている方も多いと聞く、3月から始まる予定の5~11歳の新型コロナワクチンに関しての考えを述べたいと思います。私は出来る方は全員接種した方が良いと思います。

 

実は私は意外だったのですが、小児科医の中でも意見が分かれています。積極的でない先生は、小児は感染しにくい、してもほとんどが軽症であること、心筋炎などの重篤な副反応のリスクなどを言われます(あと、はっきり言う先生が少ないですが暴れる子どもに筋注が嫌だっていうのがあるんじゃないかと思います)。

 

あの、子どもは感染しにくいとか軽症だとか言ってワクチンを後回しにした結果、当院の周囲でも幼稚園、保育園でボコボコ発症してますよ。今のところ、重症は変わらずほぼ無いようですが、幼児で常にマスクしてる子は皆無なので接している大人はほぼ濃厚接触者で感染を受けています(お互いにマスクをしているかどうかで濃厚接触者認定が決まりますから)。そもそもワクチンの意義は個人の発症や重症化を抑えるだけではなく、集団免疫を形成して社会全体の流行を抑えて稀にでも発生する重症患者や重症化しやすい基礎疾患を持つ患者を守るためではなかったですか?

 

このコロナウイルスの性質だって、従来株、デルタ株、オミクロン株と全く症状も重症化率も感染力も全然違うじゃないですか。今後の変異によっては子どもに重症化させるものが出てきても全く不思議ではないですよね。

 

接種後の心筋炎が若者に多いということから、小児はもっと多くなると思われてそうですが、実はすでに始めている米国ではむしろ5~11歳の子どもの方が圧倒的に少ないです。数値は以下のリンクを参照ください。

ファイザー製ワクチン、子どもに8件の心筋炎=米CDC | Reuters

 

確かに5歳くらいの大暴れする子の三角筋に狙って注射するのって慣れてないと難しいかもです。看護師さんがするなら余程小児科に慣れてない限り避けた方が良いでしょう。普段の国内ワクチンのほとんどは皮下注射なので、だいたいどこに適当に刺しても問題無いんでそれほど暴れられても難しくないんですけど。太腿じゃだめ?って思うけど添付文書で三角筋って書いてるならしょうがないんですよね。

 

個人的には、他の年齢層と同様に子どもの接種率も上がってくれると良いなと強く思っています。