栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

乳児湿疹は出来るだけ早く、遅くとも5か月までには仕留めたい

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

半年更新してなかったのに、いきなり2日続けて投稿します。なぜなら急にネタが浮かんできたから。

 

乳児湿疹を放置すると食物アレルギーの発症頻度が上がるということは、どんなに不勉強な小児科医でも、なんなら熱心な保護者の方々の間にも、今や周知の事実となっており知りたければググっていただければいくらでも情報が出てくると思いますので詳細は省略します。

 

ですので、発症した乳児湿疹には出来るだけ早く抑え込みたいものです。発症してすぐの軽い段階で適切な外用とスキンケアを行えば比較的簡単に抑え込むことが出来ます。その後に再発することもありますが、そのたびに素早く治療すればそのうち再発も減っていきます。だから、ワクチンや他の理由で受診の際に、保護者から相談が無くても湿疹が目立つときはこちらから指摘するようにしています。そういう時に意外と多いのは、「もう皮膚科を受診して薬ももらっています」っていうお答え。そう言われてしまうと、「そうですか、十分コントロール出来てないみたいなので薬はたっぷりと、治らないままなら早めに皮膚科再診して治らないことを訴えてくださいね」というような感じで返すしかありません。

 

乳児湿疹を皮膚科で治療すること自体に全く問題はありません。ですが問題は、①薬を塗っても治らないときはどうするか?②塗ったら治るけど、また再発したらどうするのか?といったことが決められてないことがほとんどです。なので、治らないままの湿疹に漫然と同じ薬が塗られ続けてたり、塗っては治り再発してまた塗ってを繰り返してたりすることが多いです。繰り返しますが皮膚科で治療することに何の問題もありません、ただ治療を始めて起こりうる上記①、②のようなときにどうするかを、皮膚科の先生から言われなくても、質問するなどして決めておくことが重要です。

 

結局治らないので当院で診て欲しいと言われることもしばしばです。そこから治療出来ないことは無いですが、十分にコントロール出来ておらず中途半端な治療が続けられた湿疹の治療は、初発時からの治療と比較して、てこずることが多いです。強めの薬を長期間使っても抑えきれないことも多いですし、既に食物アレルギー発症手前の状態になっていることもしばしば。私はダメージを受けた皮膚を介して発症する食物アレルギーの予防のためにも、離乳食が始まる5か月を迎えるより先に片を付けるのを目標にしてるので、乳児湿疹を当院で治療希望なら出来るだけ早く相談していただけると助かります。子どもの病気全般に言えますが、発症して早いうちに軽症のうちに治療開始した方が上手くいきます。「来週ワクチンあるからそのときに相談すればいいや」、ではなく気になったらすぐにでも来てくださいね。