栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

年月が子どもの脳の成長を押し進めてくれる、絶対に何とかなる。

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

あんまり知られてないかもしれませんが、私開業以前は大学病院で発達外来なんかしてて、毎週新規の発達障害患者さんを診てる時期がありました。発達外来って、初診1回で終わることはほぼなくて、基本的に一度一人の患者さんが始まると数か月毎に外来フォローしていくことになるし、よほど問題が無くならない限りは年単位で継続していくことが普通になっていました。少なくとも私の外来は(他所は知りません)。中に本当に問題が無くなって外来終了にした子も、問題山積みのままで来なくなってしまった子も、遠方に転居してしまった子もいましたけど。

 

私が滋賀に来たのが2007年くらいなので、10、15年といまだに外来続けている子もいるわけです。そんな中で最近思うのは子どもの発達障害って何とかなるんだなってこと。すべての親がその子が生まれたときに期待した未来ではなかったかもしれないけど。

 

すごろくのように、時々一時停止や数マス戻るを繰り返しつつも、ゴールにちょっとずつ近づいていくような。それは年月が子どもの脳の成長を押し進めてくれているようにも見えて。医師、家族、学校が薬物、環境調整などあれやこれやするもなかなか効果が見られなくて悩みに悩んだけども、それでも何とかなった。結局何が良かったのか悪かったのかわからないけど、ここまでこれたのは一時の悪かった時期を思えば上出来じゃないかと思える子が多いなって思います。そういう意味で、先日このブログにも書いた不登校は現状維持を目指すではないですが、うまく行かない日々でも焦らず踏みとどまる感覚が重要かなと思います。絶対に何とかなるからと。

 

成人の精神疾患ではこうはいかないのかもしれません。小児を診ている私たちは、子ども自身の脳の成長に助けられている部分が大きいんだろうなと思います。

 

とはいっても、私個人としては、あの頃もっと上手く治療してあげれてたら、他の先生が診ていたら、この子はもっと良い人生になってたかなと考えることも正直あるんですけどね。